10月18日に開幕する「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」を前に、9月29日、日本代表選手団の結団式が都内で行われた。

「アジアパラ競技大会」としては初めての自国開催
アジアパラ競技大会は、4年に1回行われるアジアの総合国際大会で、前身は1975年から2006年までアジアおよび太平洋地域で開催されていた、フェスピック。
フェスピックの第1回大会は「日本のパラリンピックの父」と呼ばれる中村裕によって大分県で開催されており、2010年にアジアパラ競技大会となってからの日本開催は初である。

前身である自国開催となるはじめに、日本パラスポーツ協会・日本パラリンピック委員会の森和之会長による挨拶が行われた。「自国の代表としてこの舞台に立てることは大きな誇りである」とした上で、今大会が1つの選手村による方式ではなく、宿泊拠点が競技によって複数に分かれる方式であることについて、「そのような環境でも日本選手団の強さを発揮できる。日の丸を背負う仲間たちが信頼し合うことで結束は強いものになる」とエールを送った。
大会スローガンは「ともに挑み、ともにひらく。」

今大会の日本選手団は、選手285名・競技パートナー15名・競技団体スタッフ132名・本部スタッフ23名の合わせて455名(9月28日時点)。
日本選手団団長を三阪洋行氏(JPC委員長/車いすラグビー元日本代表)、副団長を谷本歩実氏(JPC強化本部長/柔道五輪金メダリスト/愛知県出身)が務め、旗手には22歳の中川もえ(陸上/上肢障害クラス)と24歳の橋本勝也(車いすラグビー/パリ金メダリスト)が選出された。

三阪団長は壇上のあいさつで、「自分自身、はじめて日本代表のユニフォームに袖を通した時のことを覚えている。責任も感じたが、これから戦う選手たちには失敗を恐れず思い切って挑戦してほしい」。また、「日本開催は特別なこと。家族や仲間だけでなく、これまでパラスポーツを知らなかった人たちが見てくれる機会になる。一つの挑戦や諦めない姿が誰かの心を動かすかもしれない。パラアスリートにはそれだけの力がある」と熱く語った。
スローガンのとおり若手を中心にした選手たち、そしてスタッフやボランティアがともに挑むことにより、愛知からパラリンピックムーブメントが沸き起こることが期待される。
つづく記者会見では、三阪団長らが登壇。「今大会では観客の皆さんに競技を間近で感じてもらう機会ができた。多くの観客の前で一生懸命にプレーをすること、また、この環境が当たり前だと思わず感謝することを胸に、代表として盛り上げてほしい」と選手団にエールを送った。
旗手の二人には「選手として、人としてのキャリアは申し分ない」と太鼓判。同じ競技のチームプレーヤーでもある橋本へは「団旗をもつにふさわしい選手になったと思う。大きな喜び」と感慨を込めた。

旗手の責任と覚悟

若き旗手の一人、中川は「障害を個性と捉えられるようになったのはパラリンピックに出会ったから。本番で一番の走りをすることで、誰かの背中を押したり、障害を理解したりするきっかけになれば」と話す。橋本は「車いすラグビーを知り、いろいろな世界を見ることができた。また、自分が思っている以上に、競技を見て下さっている人にいろいろな思いを届けられることを知った。自分がそういった存在になった責任も感じる」と覚悟を滲ませた。
東京2020パラリンピック、東京2025デフリンピック、そして、愛知・名古屋2026アジアパラへ。三阪団長は「パラスポーツに関心が向かなかった人たちにも着実に(関心の)芽が出ていると感じる。今大会でもこれまで蒔いた種が芽吹くことを期待したい」と、大会へ思いを託した。

(取材:久下真以子、丸山裕理 校正:佐々木延江)






