公開: 2026年10月19日 at 2時17分 — 更新: 2026年10月19日 at 7時47分

「違うまま、一緒に。」日本初開催のアジアパラが開幕。45の国と地域が愛知・名古屋に集う

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「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」の開会式が10月18日、名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)で開かれた。約半世紀を経て、日本で生まれた国際障害者スポーツ大会の歴史が、再び日本へとつながれた。

開会式が開かれた名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)。(写真・中村 Manto 真人)

アジア最大級のパラスポーツの祭典「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」が10月18日、開幕した。名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)では開会式が行われ、大会の始まりを盛り上げた。

今大会はアジア45の国と地域から、選手・チーム役員を合わせて過去最大級の約3100人が参加。日本代表選手団には、選手283人を含む452人が名を連ねる(10月14日時点)。

選手入場のラストを飾った日本代表選手団。会場から大きな拍手が送られた。(写真・中村 Manto 真人)

ルーツは1975年の大分フェスピック

アジアパラ競技大会のルーツは、1975年に大分県で開催された「極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会(フェスピック)」にさかのぼる。アジア・太平洋地域の障害者スポーツの発展を支えてきたフェスピックの理念を引き継ぎ、2010年に中国・広州で第1回アジアパラ競技大会が開催された。今回の愛知・名古屋大会は第5回大会にあたり、日本で生まれた国際障害者スポーツ大会の歴史が、約半世紀を経て再び日本へとつながる節目となる。

「違うまま、一緒に。」開会式に込めた思い

開閉会式のコンセプトは「WABI — We Are Beautiful Individuals(違うまま、一緒に。)」。障害の有無や国籍、文化を超えて、一人ひとりの異なる個性や強さが出会う未来を描いた。総合プロデューサーは栗栖良依、演出統括は森山開次。式典では、愛知に根づく茶の湯の「侘び」を再解釈し、愛知の豊かな自然や、そこで育まれた暮らしの知恵、民俗芸能、職人の技をふんだんに盛り込んだ。

聖火台。常滑在住のプロダクトデザイナー・高橋孝治と陶芸家・鯉江明を中心に、職人と市民の手で形にしたもの。職人たちによって灯された炎には、それぞれの困難と向き合いながら挑戦を続けるアスリートへの敬意が込められた。(写真・中村 Manto 真人)

その一つ、愛知は日本有数の窯業の地であることから、聖火台には瀬戸・常滑・三州の土を使用した。聖火台作りは、完成した式典を観るだけでなく、準備の過程から「共に創り上げる」ことを大切に、県内のワークショップを通じて市民らも参加。市民と職人によって作り上げられた聖火台は、最終ランナー3名によって点火され、職人の技で下から上へと広がっていった。土から生まれた聖火台は、大会を終えると再び素材へと還っていく。

左から聖火ランナーを務めた、元車いすバスケットボール選手の三宅克己、元パラ陸上選手の中西麻耶、パラアルペンスキー選手の村岡桃佳(写真・中村 Manto 真人)

芸術パートで描かれたのは、旅立つ「コノハ」と、この地に根をはる「モリ」の物語。コノハはアジアをめぐる渡り鳥で、愛知の県鳥コノハズクの子。“さまざまな視点から人の営みを見つめる鳥”という意味で、パペットと4人のキャストによって表現された。物語は「異なる命が、それぞれのかたちで巡りながら、共にある」という世界への願いを込めて、アスリートたちを祝福した。

4人のキャストとパペットで表現された「コノハ」(写真・秋冨哲生)
中央でコノハを演じた三浦桜姫(さき)。生後10ヶ月で目の小児がんが見つかり、右眼球を摘出。左目に視野欠損。小学2年生で、愛知県からただ一人、東京2020パラリンピック開会式 のオーディションに合格した逸材だが、パンデミックで出演は叶わなかった。今大会では見事に大役を務め上げた。愛知県出身。(写真・中村 Manto 真人)
アスリートを迎える大小さまざまな縄で出来たウェルカムゲート。「おおぐるわの杜(もり)」と名づけられ、愛知県出身のアーティスト・井上唯と植物で作品をつくるアーティスト・野田幸江が、市民とともに、稲藁をなう手法でつくりあげた。(写真・秋冨哲生)
(写真・中村 Manto 真人)
総合プロデューサーの栗栖良依。「私たち一人一人が異なる強さを持っている。もしかしたら弱さも持っているかもしれない。大会を通して、そうしたことを互いに理解し合える機会にできたら」と話した。(写真・中村 Manto 真人)
舞踊家の森山開次。式典の演出統括であり演者も務めた。「私たちに生きる力を与えてくれているのはエールだったり、願いだったりという、目に見えないエネルギー。今日の開会式でそうしたエールが誰かのために巡り巡っていけば」と思いを語った。(写真・中村 Manto 真人)

街中でもアジアパラの風を

大会は街中にも開かれる。10月18日から24日までの大会期間中は、名古屋・オアシス21で「アジアパラ競技大会ライブサイト」が開かれる。大型ビジョンでのパブリックビューイングのほか、アスリートとともに競技を観戦するトークショーや、メダリストを迎えるセレブレーションイベントを展開。観戦や交流を通じて、大会の熱気を街の中でも感じることができる。

日本初開催のアジアパラ競技大会は、10月24日まで。愛知県を中心とする全19会場で、18競技の熱戦が繰り広げられる。

開会式のフォトアルバムはこちら。
2026 Asian Para Game / Opening Ceremony #1018

(校正・佐々木延江)

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