1月27日、ジャパンパラ・アルペンスキー競技大会3日目は、残り2日間の天候を考慮してスーパーGからスーパーコンビに変更となった。
晴れの1日、気温はマイナス1度。雪の状態は固く、ソチの主力となるベテラン選手には問題がなかったようだ。
日本選手団主将でもある森井大輝(LW11/富士通レミコンダクター)とともに、立位は三澤拓(LW2/キッセイ薬品工業)が優勝した。
森井に続く座位2位はバンクーバーパラリンピック金メダリスト・狩野亮(LW11/マルハン)、3位は鈴木猛史(LW12-2/駿河台大学)で、世界をリードする3人が表彰台にあがった。
三澤は4年前、得意のスラロームのフィニッシュで失敗。本人いわく「ださい滑り」をしてしまったが、それを乗り越え、頂点を見据えたソチへの準備が着実にできつつある。
「ソチと白馬の雪質は近いが、白馬のフラットなバーンに比べ、ソチは難易度の高いバーンでより技術が問われる。バンクーバーでは変に余裕をもっていたところをあらためてきました。挑戦者として攻めて行きます」
海外からの参戦
今回のジャパンパラに韓国から出場したLEE Chi Won(LW11)は、7位。タイムは!;47,75。
「韓国では、障害者が生きるのに厳しく、スポーツをする障害者もとても少ない。これからも多くはないだろう。 ソチはとてもワクワクしている。白馬後は、韓国内のスキー場で練習をかさねて、パラリンピックへ望みたい」と話してくれた。白馬後は、日本選手とはソチで再会する。
あらたな挑戦者たち
3シーズン目にして、ソチ日本代表に選ばれている、立位の山崎副太郎(LW9-2/信州大)は、先天性障害による右腕を切断、左足は義足である。スキー、野球、サッカー、柔道など健常者と一緒にスポーツをしてきた。5年前、三澤拓との出会いから、アルペンスキーを始めた。
「ソチへの海外遠征などすべて初めてで、先輩に学んできました。スーパーGはよい滑りができましたが、まだまだ先輩に追いつくタイムではなかった」
初日の女子大回転で優勝した村岡桃佳(LW11/正智深谷高校)は、1本目・スーパーGの中腹にあるこのコースの難所、馬止めジャンプへの入り方で体制を立て直そうとするが、転倒。
「馬止めで転倒する前までは、これまでのなかでもっともいい滑りができていました。2本目に出場しなかった分休養がとれました。明日のスーパーGがんばります」
村岡は、車いすスポーツのクラブチームで父・村岡秀樹さんとともに、小さな頃から車いすマラソン、トラックレース、車いすテニス、車いすバスケットボールなどに取り組んで来た。スキーは、アルペンスキーのほか、クロスカントリースキーにも誘われたが「スピード感があって楽しく、やっている姿が格好良かった」と、アルペンスキーに魅了され、3シーズン目になる。
「桃佳は、大日方の上を行くかもしれない」と、切久保豊コーチは、世界トップの先輩たちに囲まれた競技環境だけでなく、彼女のもっている感覚に期待している。
取材協力:石野恵子(ミックスゾーン・インタビュー)