取材者の視点, 夏季競技, 東京, 観戦レポート, 陸上 — 2021年3月25日 at 12:38 PM

東京パラ見据え、コロナ禍での有観客大会「第32回日本パラ陸上競技選手権大会」初日は好記録も2日目は荒天に泣く

雨のスタンド席

大会2日目・3月21日(日)はあいにくの荒天の中で訪れた観戦客 (写真・秋冨哲生)

3月20日~21日の2日間、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で「第32回日本パラ陸上競技選手権大会」が開催された。
公式試合は、昨年9月5日~6日に埼玉県熊谷市で行われて以来約半年ぶり。かつ今大会は、半年後の8月に控える東京パラリンピックの出場権(世界ランク6位以内で選考)をかけた重要な大会である。そして、コロナ禍になってから初の「有観客(上限5000人)」で行われた。

風の中で平行に泳ぎ続ける吹き流し

2日目は大雨と強風が大きく影響した(写真:秋冨哲生)

入場にあたり、マスク・消毒はもちろん、直近2週間分の検温も要請され、座席は2m以上の間隔をあけての観戦となり、選手・報道陣同様に、観客にも感染対策が徹底された。
初日は1032名の観客が競技場に集まり、久々にスタンドから選手たちのプレーに熱視線を送った。しかし2日目はかつてない荒天に見舞われ、雨と風が終日止むことがなくテントが揺れるほどの強風も吹き荒れた。

3つのアジア新記録が樹立された

20日の初日、会場の最高気温は18℃で天気は曇り。寒さや雨がなく動きやすい状況が整い、観客の手拍子も選手にとって大きな力となった。

兎澤朋美・走り幅跳びT63
女子100m T63の兎澤朋美(日本体育大学)は16秒22をマークし、自身の持つアジア記録16秒39を更新。翌日には東京パラリンピックに内定している走り幅跳びにも出場し、追い風参考記録ではあるが、こちらも自らのアジア記録4m44を上回る4m52を記録した。これまで経験した中で1番・2番と言えるほど難しいコンディションのなかで結果を残した。

100mt63を走る走る兎澤

女子100M T63でアジア記録を更新した兎澤朋美(日本体育大学)。翌日の走り幅跳びでも優勝した(写真:秋冨哲生)

「助走をしっかり走れるようになり、踏切や空中動作の技術的な進歩もできている。自分の理想に徐々に近づいている」と兎澤。

湯口英理菜・100m T61
女子100m T61では、湯口英理菜(日本体育大学)が18秒95をマークし、こちらも自身の持つアジア記録を更新した。日本で唯一の女子両足大腿(だいたい)義足である湯口のクラスは世界でも競技人口が少ないためパラリンピックでは競われないが、湯口は今大会も1名で出場し戦い続ける姿勢を見せた。

100m T61を走る湯口英理菜

自身のアジア記録を0.09秒更新した日本体育大学の湯口英理菜。(写真:秋冨哲生)

大矢勇気・100m T52
そして、3つ目のアジア記録更新は男子100m T52の大矢勇気(ニッセイNC)。
タイムは17秒19を記録。自らのアジア記録を0秒05上回った。19年に出場した世界選手権(ドバイ)の決勝でも4位に入賞し、すでに東京パラリンピックに内定している。現在の状態は7割と語った大矢は、8月の本番に向けさらに調整を重ねていく。

雨の中の200mt52、大矢勇気

東京パラリンピックに内定している大矢勇気(ニッセイNC)、100mT52でアジア記録を樹立した翌日、雨のなかでの200mT52のゴール。(写真:秋冨哲生)

初日は、上記3つのアジア記録に加え、日本新記録7・大会新記録20を達成。記録ラッシュとなった。

 →荒天のなかで行われた2日目の見どころ

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