関連カテゴリ: Tokyo 2020, オンライン観戦会, トラック・フィールド, 義足アスリート, 陸上 — 公開: 2021年9月2日 at 8:40 AM — 更新: 2021年9月9日 at 2:13 PM

義足エンジニア・遠藤謙による「東京パラ注目の義足アスリートの見どころ!(女性編)」

ソフィー・カムリッシュ(イギリス、25歳)
彼女はまだ若いですが、アスリートとしてのキャリアは長く、ロンドン パラリンピックで13.16というタイムで4位に入賞しています。当時、16歳です。身体は非常に小さいですが、ブレードの中でも非常に軽いOssur社のCheetahをずっと使用しており、ブレードの跳ねる感覚を使って走るというよりは、軽さを最大限に利用したピッチを回す走りが特徴的です。

2012年ロンドン パラリンピック100m決勝

その後も世界レベルでの大会で決勝に残る常連となりますが、100mでなかなかメダルには手が届きませんでした。リオパラリンピックでも13.16という好タイムを出しながら、4着となりました。

そして迎えたロンドン世界パラ陸上選手権、彼女の走りは大きく変わっていました。イギリス代表男子のジョニー・ピーコックのような、地面に義足を叩きつけて走るようなスタイルになったと感じました。それが功をそうし、予選では12.90で当時の世界記録を樹立し、決勝では12.93で金メダルを獲得しました。
2017年ロンドン 世界パラ陸上選手権100m
予選

決勝

その後は決勝の常連ではありますが、なかなか表彰台にあがることはできていません。ですが、年齢も25歳とまだまだ若いので伸びる余地があると感じます。

そして、2021年のヨーロッパ選手権、彼女の足にはOssur社の新しいブレードXcelがついていました。いつから使いはじめたのかは分かりませんが、彼女はこの日13.17のシーズンベストを記録し、5着となりました。

ちなみに、イギリス代表の義足アスリートといえば、下腿男子の3連覇を狙うジョニー・ピーコック、男子両大腿で圧倒的な強さを誇るリチャード・ホワイトヘッドと、ドイツやオランダと並んで義足アスリート大国といえますが、なぜ強いのかと調べてみると、この3名に共通していたのは担当義肢装具士が同じ人物であることでした。ロンドン郊外にあるProactiveという製作所のRichardNieveenがカリスマ義肢装具士ということで、アスリート志望の義足ユーザが集まってきているとのことでした。私自身、彼がどのような哲学でアスリートのために義足を作っているのか直接会って聞きたいと思い、外務省の日本ブランド発信事業の一環で彼らの製作所へ伺うことを予定していたのですが、昨年3月新型コロナ感染拡大のために土壇場になってキャンセルされました。これがいまだに心残りでいつか行きたいと思っています。そんなRichard Nieveen もナショナルチームに帯同して日本に来ています。
https://www.proactiveprosthetics.co.uk/

話がカムリッシュ選手から逸れてしまいましたが、いつもレース前の選手紹介で笑顔を見せてくれ、緊張感の中にも走ることを楽しんでいるようみえて、こちらも応援したくなる存在です。成熟期を迎えた彼女がどんな走りを見せてくれるか楽しみです。

ソフィー・カムリッシュ|マルレーン・ファン ハンセウィンケル | フルール・ヨング| ベアトリス・ハッツ| キンバリー・アルケマデ

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