関連カテゴリ: デフスポーツ, トライアスロン, ブラインドスポーツ, 夏季競技, 新着, 障害 — 公開: 2022年5月15日 at 1:37 PM — 更新: 2022年5月19日 at 11:23 PM

声という絆

知り・知らせるポイントを100文字で

見えづらく、聞こえづらい選手に、大声で励まし、奮い立たせるオランダのガイド。その声の実際80パーセントは選手には届かないという。その小さな響きが導く可能性がトライアスロンの魅力を拓く。

5月14日、横浜パラトライアスロンでサンデル・コーメン(B3/PTVI-M)終始語りかけるガイドのデイビー・ヘイスティーク 写真・山下元気

トライアスロンで視覚に障害のある選手にとってガイドは目となり伴走する。
オランダのサンデル・コーメン(B3/PTVI-M)は、視覚障害と同時に、遺伝性難聴のため聴覚にも困難を抱えている。
彼の視野角は八度ほどしかない。彼がトライアスロンに出会ったのは30代の後半。2018年11月からはオランダトライアスロン連盟の指定強化選手としてトレーニングを積んでいる。
今回のレースについて感想を聞くと「バイクでは後輪がスリップするリスクをとってコーナーを攻める走りができた。2週間後にポーランドで開催される欧州トライアスロン選手権につながる」と語るコーメン。

そんな彼のレースをガイドするのがデイビー・ヘイスティークだ。
ランの最中はずっと大きな声でコーメンに語りかける。その様は、箱根駅伝における早稲田大学の中村清競走部監督を連想させる。
何を語っているか聞くと、戦術的なコメントはわずかで、ほとんどが、「頑張れ!」「君ならできる」といった励ましだそうだ。
コーメンは「いやぁ、80%は聞きこえないけどね、エネルギーをくれるし、レースの終わりを教えてくれる」という。

オランダのメディアANN!の取材によれば、彼らの目標はパリパラリンピックにオランダ代表として参加することだそうだ。パリの街並みにもヘイスティークのオランダ語での叱咤激励が響くように。

(編集校正・佐々木延江)

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