関連カテゴリ: ゴールボール, セレモニー, ブラインドスポーツ, 国内大会, 夏季競技, 日本選手権, 観戦レポート — 公開: 2022年12月2日 at 11:23 PM — 更新: 2022年12月12日 at 9:10 PM

「MONEY DOCTOR 2022 日本ゴールボール選手権大会」女子はチーム附属、男子はSpread Wingsが優勝!

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パリパラリンピックに向けた世界選手権を前に、ゴールボールクラブの日本一を決める「MONEY DOCTOR 2022 日本ゴールボール選手権大会が11月27~28日、新宿スポーツセンターで開かれ、男子6チーム、女子5チームが参加した。大会終了後、男女日本代表チームの壮行会が学生たちのリードで開催された。

ゴールボールクラブの日本一を決める「MONEY DOCTOR 2022 日本ゴールボール選手権大会が11月27~28日、新宿スポーツセンターで開かれ、男子6チーム、女子5チームが参加した。
リーグ方式での予選ののち決勝トーナメントが行われ、女子はチーム附属がみなでしこに7−0で勝ち、男子は Spread Wingsがチーム附属Bに11−4で勝ち、それぞれ優勝した。
大会終了後には、パリパラリンピック出場に向けて12月にポルトガルで開催される2022 IBSA Goalball World Championshipsに出場する男女日本代表の壮行会も開催された。協会に新設されたイノベーション室に所属する学生が考案した壮行会のプログラムを選手・スタッフ・サポーターが一体となって盛り上げた。

女子決勝戦、チーム附属 7−0 みなでしこに勝利し優勝!

女子決勝戦は、チーム附属とみなでしこ、ともに日本代表を有する競合チームの対戦だった。日本代表ウイングの萩原紀佳(6番・チーム附属)が低く早いグラウンダーと大きく弾み威力のあるバウンドボールの投げ分けで相手の守備を撹乱して勢いに乗り、前・後半得点を許すことなく7−0で日本代表キャプテン・天摩由貴(4番・みなでしこ)らを制し5年ぶりに優勝を手にした。

チームのウイングとして優勝に貢献した萩原紀佳(6番) 筆者撮影

萩原は今年からチーム附属に移籍した。「自分の得意なオフェンス面で受け入れてくれたチームに感謝の気持ちを表現したかった。パリパラに向けて回転投げを習得し日本の得点源にしたい」と語り、グラウンダーとバウンドボールの使い分けや投げる位置の変化や投げる方向を変えるなどの多様なオフェンスでの勝利を喜んだ。

みなでしこの攻撃の中心となった天摩由貴 筆者撮影

萩原と逆に今年チーム附属からみなでしこに移籍した天摩は「環境を変えることによって自分自身に新しい刺激とか、変わるきっかけを作りたかった。(古巣の)チーム附属にもっと自分の成長を見せたい」と語った。

優勝したチーム附属のメンバー集合写真 筆者撮影

男子決勝戦 Spread Wings 11−4 チーム附属Bに勝利し、初優勝

男子決勝戦は、Spread Wingsとチーム附属Bで行われ、伊藤雅敏(1番・Spread Wings)と辻村真貴(7番・Spread Wings)の勢いのあるバウンドボールが止めようとするディフェンスの手に触れながらゴールへ流れ込む様子が見られた。前半7−0とSpread Wingsがリードし、後半チーム附属Bが4点を返したものの、最終的に11−4でSpread Wingsが勝ち、初優勝を手にした。

グラウンダーやバウンドボールを投げ分けるSpread Wingsの伊藤雅敏 筆者撮影

日本代表にも選ばれた伊藤は「ディフェンスには課題がありましたが、よい練習ができ、落ち着いた試合ができたと思う」と語った。ポルトガル世界選手権にはチーム最年長で出場する。「世界選手権は11日間の長丁場で、東京パラよりやや長く慣れないところもある。チームに貢献できるように力を発揮したい」と今後への抱負を語った。

優勝したSpread Wingsのメンバー集合写真 筆者撮影

<個人表彰>
MVP 萩原紀佳(チーム附属)/辻村真貴(Spread Wings)

MVPを受賞し盾と副賞を持つ辻村真貴(左)・萩原紀佳(右) 筆者撮影

得点王 萩原紀佳(18点 チーム附属)/伊藤雅敏(22点 Spread Wings)

女子得点王(18点)を受賞し盾と副賞を持つ萩原紀佳 筆者撮影
男子得点王(22点)を受賞し賞状受け取る伊藤雅敏 筆者撮影

オリオンJAPAN壮行会

選手権終了後に、12月6日から16日まで開催されるパリパラリンピックの出場権をかけた2022 IBSA Goalball World Championships日本代表選手の壮行会が行われた。この壮行会は、ゴールボール協会内に新設されたイノベーション推進室のインターンの学生が考案した、会場一体となって楽しむ「新たな応援のカタチ」を体感させるイベント。監督、男女キャプテンの決意表明に加えて、選手紹介や、サポーターも参加の応援パフォーマンスが披露された。

市川 喬一総監督の談話
「日本代表選手・スタッフ26人でポルトガルに行く。強豪国16か国が出揃って、上位2か国にパリパラリンピック出場権が付与される大変厳しい大会である。男子はアジアチャンピオンとして、女子は東京パラ銅メダリストとして出場する。最後の最後まで諦めずに頑張ってくれると信じている」

女子・天摩由貴キャプテンの決意表明
「世界選手権の目標は、決勝に進みパリパラリンピックの出場権を獲得すること。選手もスタッフも一人一人がしっかり役目を果たして、今ある自分達の力を全て発揮する。厳しい試合もあると思うがオリオンJAPAN男女揃って切符を獲得したい。私たちの力は練習を積んだ自信とチームメイトと日本から応援してくださる多くの方の存在による。皆さんの応援を力に変えて結果を残して帰れるよう頑張るので日本からの声援をお願いします」

男子・川嶋悠太キャプテンの決意表明
「パリの切符をつかむことは簡単ではない、厳しい試合が待っています。しかし、厳しい戦いの時こそ、これまでの練習を自信に変えて、最後の最後まで戦い抜きたい。オリオンJAPANという名称のように、ポルトガルの地でも一人一人が輝き、お互いが良いところを引き出し合いながら戦うことができれは良い結果が待っていると信じています」

女子日本代表、試合前の声かけを再現 左から、天摩由貴・小宮正江・安室早姫・欠端瑛子・高橋利恵子・萩原紀佳 筆者撮影
男子日本代表、試合前の円陣再現 左から伊藤雅敏・佐野優人・山口凌河・宮食行次・金子和也・川嶋悠太 筆者撮影
オリオンJAPAN壮行会、参加者全員での集合写真 筆者撮影

日本ゴールボール選手権大会 試合結果

結果<女子>
◆トーナメント戦績
優勝決定戦 チーム附属 7−0 みなでしこ
3位決定戦 Merveilles 3−0 Moon Luster
◆最終順位
優勝:チーム附属
2位:みなでしこ
3位:Merveilles

結果<男子>
◆トーナメント戦績
優勝決定戦 Spread Wings 11-4 チーム附属B
3位決定戦 スーパーモンキーズ 5−4 チーム附属A
◆最終順位
優勝:Spread Wings
2位:チーム附属B
3位:スーパーモンキーズ

(校正・佐々木延江)

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