杭州から佐賀、そしてパリへ。「第40回日本パラ水泳選手権大会」で年内のレースが終了。パラ水泳に多様な魅力を求める声も

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パリへ向かう2023シーズンの公式レースが終わろうとするなかで、パラ水泳の多様な価値を模索する言葉が語られた。

女子S13クラスの動き、石原、辻内

石原愛依

オリンピックを目指すなか、目の病気を発症しパラスイマーとしても歩み始めた石原愛依(神奈川大学)は、パラ水泳のクラス分けの機会を待っている。国内ではS13(ロービジョン)として出場し、これまでに5つのパラ水泳の日本記録を更新。今大会で50m背泳ぎS13、50m自由形S13に出場し日本記録を樹立、合計7つの日本記録を保持する。

3月7日、静岡で200メートル個人メドレーS13を泳ぐ石原愛依(神奈川大学)そのタイム02:15.00はS13クラスの世界記録より6秒も速い 写真・秋冨哲生

—ー2レースの感想

「取り組んできたフォームの改善は少しずつ焦らず、(メインの)200m個人メドレーの後半につながるレースにはなったと思うので、明日からの練習に繋げていきたい。パラの日本記録は嬉しいが、自己ベスト更新を狙っていたので、自分が納得いってないタイム。次はもうちょっと速いタイムで日本新を出したい」

ーー今後の予定は
「再来週のジャパンオープンでは200m個人メドレーと200m平泳ぎでベストを狙い、選考会につながる泳ぎができたらと思っています。その後、強化合宿がクラブのほうで入ります。年明けは小さな大会から少しずつ出始め、3月の選考会に向かいたいと思います」

ーー泳ぎの課題と対策
「200m個人メドレーの課題は4種目一つずつあります。昔は後半型でしたが、今は前半から行けて後半も持つことがトータルの課題です。バッタのスピード、バックのテンポ、ブレは200mでも泳ぐのでフォームの改善。フリーでの課題は持久、スピードで、スプリントに出場しながら繋げていければと思います」

ーー病状について
「目の病気は少しずつ進行している。止まっていなく、広く波がある。つらいのは、目だけじゃなく身体のしびれもあり、水の感覚が少しずつなくなってきているのが辛い」

ーー2024年は
「来年は社会人になります。新しい人生の始まりで初心にもどる気持ちで楽しみです。必ずオリンピックの出場権を獲得してパリで世界で戦える選手になるために強化を頑張っていきたいと思います」

辻内彩野

辻内彩野(三菱商事)は8月の世界選手権に出場し、アジアパラ出場は、エントリーした種目が選手不足により不成立となり出場が取り消しとなった。今大会では、50m平泳ぎで日本新記録、50m自由形で大会記録を更新した。

50m平泳ぎSB13を泳ぐ辻内彩野(三菱商事) 写真提供・日本パラ水泳連盟

ーーアジアパラは行けなかったが
「選手不足で出場できないかもしれないとわかっていたので、アジアパラに行けなければ、パリに照準を合わせて練習しようと思っていました」

ーー今後の予定は
「私は、来年6月30日までにクラス分けをうけなければならない。そのために海外の試合が入るでしょう。年明け早々に健常者の短水路大会に出場する。あとは3月にむけて」

ーー泳ぎの課題と対策
「50mでのエンジンのかかる時間を減らし、後半に粘れるようトレーニングしたい」

ーー今大会、シーズンの感想
「今回は50mに調整をかけずに出場した。18日、石原さんと初めて一緒に泳いだ。彼女がきてくれ国内大会で初めて銀メダルを手にすることができた。世界のレベルを考え、身近に目標ができ嬉しく思っている。
50m平泳ぎはしっかり日本記録を塗り替え、強化Aのタイムをきれて嬉しかった」

ーー石原選手の存在をどう思うか
「もともとレベルが違う選手。国内にそういう立場の選手がきてくれて、これまでは独泳状態だったのが私より前に泳いでくれる選手がいることが嬉しい。レース感というものを初めてパラにきて感じることができた」

ーー今年はどんな1年?
「一番最初の大会からあまり調子が良くなかったが世界選手権で東京の次にいいタイムが出た。目標にしていたことがしっかり出せた。怪我をしたが、総合的に考えるとパリに繋げられるタイムが出せた。パリへは東京よりレベルがあがると思うので決勝進出を最低ラインに取り組みたい」

ーーパラ競泳会の実力の底上げについて
「国内で軽度障害のクラスのレベルを上げるには、もともと健常者でやってましたという人が来ない限り世界で通用するものがない。健常のスイミングで健常者と一緒にトレーニングできる機会が増えれば、もっとレベルが上がっていくと思います」

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