ワールドトライアスロンパラシリーズ(2024/横浜)の参加者で最年長、横浜には2回目の参加となるエルケ・ファン エンゲレンがPTS4で前回に続き3位入賞。初のパラリンピック出場に向けて大きく前進した。
ご主人がトライアスロンをやっていることもあり2012年(47歳)よりアイアンマンレース(スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km) に取り組み始めた彼女。アイアンマンレースを初めて完走したのが2015年。しかしその年の冬、左足に腫瘍が見つかり、脚を切除するか死かという状況に直面した。病床で「私はアイアンマン、この状況を乗り越えられる。私ならできる。人生が終わるわけじゃない。単に立ち向かうべき人生のイベントの一つに過ぎない。大丈夫、やりきれる」と自分に言い聞かせた。
4人の子供がいて、既にお孫さんもいる彼女、月曜日以外は歯科医としては働き、トレーニングは仕事前、仕事のあとでそれぞれ一時間を充てている。「空いている時間は夫となにかしらスポーツをしている」そうだ。トライアスロンがライフスタイルで仕事と家族と両立させながら競技を続けている。モチベーションの源を聞くと、「自分のすべての人生で何ができるかを表さなければいけないという気持ちだ」と答えた。
今回は「3位に入ってパリへの切符を確実なものにする」という思いで参加した。「前回はスイムが酷くて厳しいレースだったけど、今回は準備をしてきた」。そして「ほぼチケットを手にすることができた」と嬉しそうに語った。現在、彼女の順位はパリパラ選考ランキング8位で選出圏内。これによりさらに順位アップが期待できる。パリのレースの時には還暦一歩手前の59歳。是非パリの街を疾走する姿を見たい。
(校正・佐々木延江)