公開: 2026年10月31日 at 9時08分 — 更新: 2026年10月31日 at 9時08分

【ブラインドサッカー】交錯する「育成と継承」。日中による決勝が示した、アジアの現在地と未来

知り・知らせるポイントを100文字で

愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会のブラインドサッカー決勝戦は、多くの観客の声援のもと中国と日本によるハイレベルな決勝戦が行われ、中国が1-0で日本を下し幕を閉じた。視覚を完全に遮断したイマジネーションの空間で、強烈なプレスと知性がぶつかりあった。

鶴舞公園多目的グラウンド(テラスポ鶴舞)で行われた「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」のブラインドサッカーは、計6日間にわたって開催された。10月23日に行われた決勝は、王者中国が1-0で日本を下し幕を閉じた。

しかし、鶴舞のピッチで繰り広げられた熱戦の本質は、単なる勝敗ではなく、両国の歩んできたチームビルディングの深まりと、アジア全体の競技レベルの成熟だ。

アジアの頂点を走り続けてきた中国が今大会で見せたのは、強固な「継承システム」だ。1990年代生まれの経験豊富なベテラン3人が軸となり、2009年生まれ・17歳のYuan Ziqiら2000年代生まれの若手を牽引する世代融合チームを編成。分厚い選手層を背景に、ZHENG Haishengコーチのもとで次世代を鍛え上げ、出場権を得ているロサンゼルス2028パラリンピック、さらにはその先の世界基準を見据えた持続的な育成体制をピッチ上で体現してみせた。

YUAN Ziqi (CHN),OCTOBER 23, 2026 –  Blind Football : Men’s FINALS Gold Medal Match between People’s Republic of China – JAPAN during the Asian Para Games Aichi-Nagoya 2026 at Nagoya City Tsuruma Park Multipurpose Sports Field in Aichi, Japan.©AINAGOC/APC
『前半で多くのチャンスを作れていたのだから、後半も必ず機会は巡ってくるはず』とハーフタイムに伝えたZHENG Haishengコーチ(アジアパラ競技大会ニュースサービスより)。期待に応え後半13分TANG Zhihuaが先制点を決めた 写真・そうとめよしえ

対し、ホスト国である日本もまた、長年培ってきた緻密な組織ディフェンスとサイドにパスを回し相手を引き剥がすオフェンスで、絶対王者に対して終始互角の主導権争いを繰り広げた。Yuan Ziqiと同じ17歳のホープ林健太が決勝で33分ピッチに立ち、中国の強度を肌で感じた経験を得たのは大きい。

果敢に攻め続けた林健太 写真・そうとめよしえ

キャプテンの川村怜が「狙いを持って優位にプレーできた時間帯もあった」と振り返る通り、チームが培ってきた戦術的な進歩は確かな手応えとして示された。一方で「クオリティの面で、中国とはまだまだ差を感じた」とも語り、この差を埋めるべく、今後はより強度の高い練習を積み重ねていく構えだ。

ブラインドサッカーは、アイシェードで視覚を遮断されたフィールドプレーヤー4人とゴールキーパー1人で行う5人制サッカーだ。音の出るボールと声の指示を頼りに、研ぎ澄まされた空間認識でピッチを駆け巡る。勝敗という結果以前に、互いを高め合うライバル関係と継続的な育成モデルが存在すること、それこそが、アジアのパラスポーツが世界へ発信する価値であり、確かな希望である。

6カ国が出場したブラインドサッカー。最終順位は以下の通り。

優勝 中国

準優勝 日本

3位 イラン

4位 タイ

5位 韓国 

6位 インド

来年に行われるIBSAワールドゲームズや世界選手権で、再戦が予想される中国と日本。どんな戦いになるか今から楽しみだ。

 

公式リザルト https://results.apg2026.org/#/discipline/FB5/schedule/daily/2026-10-23

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(校正 小泉耕平)

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