3月16日・競技7日目。ジェンソン・アルペンセンターでのスノーボードは2つ目の競技バンクドスラロームが行われ、エース成田緑夢が、コンマ5秒の接戦を繰り広げたすえ、前大会優勝の王者エヴァン・ストロング(アメリカ)とライバルのマッティ(フィンランド)を破って優勝した。
連日のサクサク雪とは変って、成田が得意とする固いバーンでの勝負となり運命も緑夢に味方したようだ。
競技を終えたミックスゾーンで
「最高の気分。アスリートとして、金メダルは嬉しい。目標は全部のレースでの「挑戦」で、ボード、体、エネルギーの一番の安定するところを滑ることがテーマでした。3本目でパーフェクトな滑りしなければ、表彰台にいけないと思った。リズムの異なる第5バンクのラインを調整して攻め続け、少しでも行ける可能性にかけました。
順位にはフォーカスせず、ただ攻めました。誰が勝ってもおかしくない状況で、僅差(”僅差さ”と造語を作っていた)がハンパなく、ワクワク感も高まりました!」
夜に行われたメダルセレモニーでは、日本から応援に駆けつけた人々、日本選手団の関係者が見守る中で、ライバルの二人とともに表彰台に立った。
メダルセレモニー 後のインタビューには、村岡桃佳に続いて日本チーム2個目の金メダルを伝えるために多くのメディアが殺到していたが、あらためて、次のように話していた。
「僕がけがをした瞬間、スポーツに復帰できるとも思っていなかったし、歩ける確率20パーセントっていわれてから、今こうやってスノーボードできてる。まだ歩くにはまだびっこひくこともあるけれど、パラリンピックの金メダルとれた。
多分たくさんの人が医者からもう歩けない、スポーツできないって言われていると思うけど、その言葉を聞かないでって言う意味ではなく、それを例え言われたとしても、パラリンピックで金メダルとれたよっていう情報を共有してもらえるといい。今そういう状況にたっている怪我をした人や交通事故にあった人に、ちょっとした光になれるんじゃないかな」
(取材協力:田中綾子)