千葉, 取材者の視点, 夏季競技, 野球 — 2020年12月24日 at 3:54 AM

身体障害者野球大会『小笠原”ミニ”大杯』コロナ禍で照らされた一筋の光

身体障害者野球ならではの技術とは

この日は1日かけて4試合(1試合90分のトーナメント制)が行われ、上述の身体障害者野球専用ルールを採用した。

試合前は久々に会うメンバーと再会を喜ぶ姿が見られたが、いざ試合が始まると各チームとも真剣勝負。

今年初の対外試合となった東京ブルーサンダースの財原悟史主将は試合前、心境を振り返りながら語った。

「今年は相次いで大会が中止になり、活動時間も縮小。モチベーション維持に苦労しました。久々の試合で動けるか不安でしたが、集まった仲間たちと、最後までとにかく全力で野球を楽しもうと臨みました」

財原主将のバッティング

今季初の試合に臨む東京ブルーサンダースの財原主将(写真:白石怜平)

選手たちはこれまでの我慢を晴らすかのように無我夢中でグラウンドを駆け回った。ベンチからも自軍を応援する声が日の暮れるまで飛び交った。

右手に障害を持つ選手が中堅を守り、健常者に負けない低い軌道のバックホームで魅せる。

捕球と同時に左手のグラブでボールを舞い上げたあと、そのグラブを手から離しボールに持ち替える。そして掴んだボールをカットマンを介さず捕手の胸にワンバウンドで返球。

「ワンハンドキャッチ・ワンハンドスロー」と呼ばれるこの動作は身体障害者野球ならではの技術である。

また、下肢障害の選手がマウンドに上がる。腕の振り下ろす角度やリリースポイントを工夫し、18.44Mの距離から緩い球でストライクを投げ込む。打たせてとる投球で打者を翻弄した。

三浦敏朗投手の投球フォーム

下肢障害を持つ千葉ドリームスターの三浦敏朗投手(写真:白石怜平)

4歳の子どもが打席に立つと、投手はバッターボックスの近くまで行きトスを上げる。

小さな体で目いっぱいバットを振り、1塁まで全力疾走する姿にグラウンドは笑顔と拍手に包まれた。

健常者の選手も打席に立ち、障害を持つ投手のキレあるスライダーで大きく空振りする姿も普段なかなか見られない光景である。

この日共通したのものは身体障害者野球のルールのみ。他に障害の有無や重さ、年齢など条件や制約は一切存在しなかった。

東京ブルーサンダースとの”東京決戦”で好投した東京ジャイアンツの原壮大投手は
「2イニングでしたが、ブルーサンダースさん相手に無失点で投げられたことは、自信になりました」今後に向けて弾みをつけた。

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