アフガニスタン選手、走り幅跳びで笑顔の跳躍。ライバル選手からエール

 東京パラリンピックの陸上競技・男子走り幅跳び(T47:上肢障害)が31日行われ、アフガニスタンのホサイン・ラスーリが出場。自己ベストの4m46を記録し、笑顔で跳躍を終えた。

31日、男子走り幅跳び(T47)に出場した、アフガニスタン出身のホサイン・ラスーリ 写真・秋冨哲生

 アフガニスタン選手団を巡っては、8月15日、事実上の政権崩壊で国内が混乱し、パラリンピックへの出場を断念していた。しかし、IPC(国際パラリンピック委員会)の発表によれば、選手団はその後、アフガニスタンからフランスに避難。28日に来日し、選手村入りした。

 地雷で左手を切断したラスーリは、2018年にジャカルタで行われたアジアパラ競技大会で、100m短距離走に出場。もともとスプリンターであったことから、今大会でも当初、男子100m(T47)への出場を予定していた。しかし、アフガニスタン選手団が来日した28日の時点で既にレースが終わっていたため、走り幅跳びでの出場を決めた。

 結果は最下位の13位だったが、3回目の跳躍でパーソナルベストを更新する4m46をマーク。跳躍後には笑顔で仲間と談笑するなど、リラックスした表情を見せた。

 競技後、精神的な配慮から本人への取材は行われなかったが、同種目に出場した金メダリスト、ロビエル ヤンキエル・ソル セルバンテス(T46/キューバ)は「こうした状況だが、競技に集中して頑張ってほしい。いつかアフガニスタンに平穏な日々が訪れることを願っています」と話し、エールを送った。

 9月2日に行われるテコンドー女子K44 49kg級には、もう一人のアフガニスタン選手、ザキア・クダダディ(K44:上肢障害)が出場する。IPCのアンドリュー・パーソンズ会長は28日、「ザキアとホサインは、来日してパラリンピックに出場したいという明確な意思を一貫して示してきた。両選手が東京で夢を叶えることができ、世界中の多くの人々に希望の強いメッセージを発信している」とコメントを寄せた。

(編集・校正 望月芳子)

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