北京パラリンピックの車いすカーリングは、3月12日決勝が行われ、正確なショットとチームワークで、中国が２大会連続の金メダル獲得となった。
開会式翌日の3月5日にはじまったラウンドロビンステージ。中国は、緊張のあまりか上手くショットが決めることが出来ず、カナダそしてスウェーデンに負けた。しかしその後は、決勝戦まで連勝。強さを見せつけた。
2－1とスウェーデンがリードして第5エンドに入り、戦術に変化があった。今まではハウスの近くにドローショットすると、相手がテイクアウトしてストーンをハウスより外へ出すという戦術だった。今回は、中国がドローショットをハウスの近くに決めると、スウェーデンがガードストーンをハウス外のセンター付近に置いてきた。そして、13投目にViljo PETTERSSON-DAHがヒットアンドロールを失敗。14投目、王海涛は正確にドローショットを決め、ハウスには4つのストーンが残った。
15投目、PETTERSSON-DAHは、ドローショットを決めにいくが失敗。そして16投目の王のショットは失敗に終わるが、4点を奪って2－5と中国がリードする。
第6エンド、スウェーデンはラストショットでドローを決めて1点を返し、3－5となる。第7エンドは、中国がハウス内へのドローショットを正確に決める。13投目に、PETTERSSON-DAHもハウス内にドローショットを決める。しかし、王海涛が14投目にダブルテイクアウトを決める。15投目にはPETTERSSON-DAHがドローショットに失敗。16投目、王はドローショットを外したが、3点を中国が奪い３－８となり、コンシードとなり中国が金メダルを獲得した。本当に決勝戦にふさわしい素晴らしい試合だった。
今回、残念ながら日本代表の出場が出来なかった。バンクーバーパラリンピック元日本代表斎藤あや子選手にインタビューした際に、「今回の注目チームは北欧です。なぜなら陸続きでお互いに試合が出来るから」と話していた。金メダルをとった中国や韓国は日本にとって近い国でありながら、海を隔てた国である。一緒に練習試合などが出来る機会がいつか出来たらいいのにと思う。
国際友好になるし、日本代表が強くなるきっかけにもなるに違いない。今回車いすカーリングの取材を通して、選手がお互いに話して次のストーンのデリバリーの事を考えていく姿、そして肩を組んだり声を出して仲間とストーンを追いかける姿を見て、「人は決して一人で生きていけない。お互いに協力して一つの目標に向かう姿がとても美しい」と感動した。次のミラノ・コルティナでは、この感動する場所で車いすカーリング日本代表が活躍することを願っている。
【最終順位】
金メダル 中国
銀メダル スウェーデン
銅メダル カナダ
4位 スロバキア
5位 アメリカ
6位 韓国
7位 ノルウェー
8位 イギリス
9位 ラトビア
10位 エストニア
11位 スイス
（校正・久下真以子）
Author: 田中 勝吾
岐阜県出身。カメラマン。２０１８年から２０２１年までグランドホッケー日本リーグチームをファンとして撮影。東京パラリンピックの記事と写真に感銘を受け、自分もパラアスリートの活躍する姿を撮りたい、パラスポーツの魅力を知り伝えたいと猛勉強中。
