関連カテゴリ: IDクラス, ブラインドスポーツ, ボッチャ, 切断者, 合宿, 夏季競技, 女子, 新着, 横浜, 水泳, 重度障害 — 公開: 2024年5月2日 at 7:58 PM — 更新: 2024年5月5日 at 12:46 PM

パラ水泳チーム合宿でパリへ始動。多様な個性を発揮し目標へ向かう強いチームへ!

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4月30日に行われたパラ水泳の合宿では、パリへのチームビルディングとして多様性を活かした強いチーム作りを目指す様子がメディアに公開された。

ボッチャに挑戦する日向楓の投球「合宿はいいコンディションで参加できた。映像で泳ぎを見て無駄な泳ぎを改善できれば、中国やブラジルのトップ選手に近づける」と話す。 写真・秋冨哲生

4月26日からナショナルトレーニングセンター(東京都北区)ではパリパラリンピックに向けたパラ水泳日本代表(内定)選手の合宿が行われていた。クラス分けで保留となっていた齋藤元希、辻内彩野、福田果音ら3名もパリへの参加資格を満たし22名全員が揃い、パリへ、チームの活動が始まった。

高校生となった川渕大耀は初のパラリンピックに向けチーム最年少で代表合宿に参加。パリに向けてオーストラリアのライバルを見据え片足のトップを目指す。チームでの役割は「真剣にやる、困っていることは先輩に声をかけ相談する」 写真・秋冨哲生

ボッチャでチームビルディング

30日メディアに公開されたのは、ボッチャをテーマにしたチームビルディングのセッションだった。
日本代表チームで心理面を担当する福井邦宗氏によると、優れた「チーム」となるには、多様な個性を持つ人々がいかに目標に向けてその多様性を発揮し協力し合えるかにあるという。多様な障害のあるアスリートが集まるパラ水泳チームは、まさに、さまざまなアイデアや視点の宝庫と言える。

スイム練習するチーム 写真・秋冨哲生

ボッチャを通じて、選手たちは多様なバックグラウンドを持つチームメイトとのコミュニケーションを学び、互いの異なる強みを理解し合うことで、チームとしての結束を深める体験をした。

「チームとして成功するためには、目標の共有と集中が必要です。(皆さんで考えた)「超越」というスローガンを大切にし、個々の力を超えたチームとしての成果を目指してください。これからも一丸となって、優れたチームを目指しましょう」とレクチャーを締めくくる、福井邦宗さん 写真・秋冨哲生

辻内はS12へクラス変更

辻内彩野はクラス分けのためアメリカでのワールドシリーズに参加。意外な結果を持ち帰っていた。弱視の2つのクラスのうち軽い方のS13から障害がより重いS12に変わったのだ。パリへは新しいクラスで出場する。
「自分では変わると思っていなかったのでS12と言われびっくりしました。S12になったことで、パリでは100mと400の自由形にS12として挑戦するという選択肢が増えました。今まで通り50m自由形S13にも出ることができます。そういうところで種目選択の幅が広がりましたが、障害が進行したという面では生活がしづらくなることでもあり、複雑です」とクラス分けへの感想を話していた。

スイム練習する辻内彩野 写真・秋冨哲生

2023年のランキングを参照すると、辻内のタイムをS12で出場する100mに当てはめると世界ランク4位、400mだと3位でメダル圏内。S13で出場する50mも4位に位置する。いずれにしてもメダルも見えているが、「メダルを目標に置くと体が固まってタイムが出にくくなると自覚している。タイムを意識して泳ぐことにします」と、パリでのレースに向き合った。具体的な練習については、週末のジャパンパラ後にコーチらと相談する予定。

週末は、国内最高峰のジャパンパラ水泳競技大会!

合宿の成果を披露する場として、5月3日から横浜国際プール(横浜市都筑区)でジャパンパラ水泳競技大会が開催される。この大会には、国内外のトップ選手が集結し、競技の魅力とともに、パリパラリンピック日本代表チームの顔ぶれと、団結力を目の当たりにすることができる。
多様性を活かした強固なチームビルディングを目指し、日本代表チームが一丸となって挑んでいる。ぜひ、現地で観戦してほしい。

代表合宿に集まった、トビウオパラジャパン22名。キャプテンは齋藤元希、副キャプテンは宇津木美都、山口尚秀となった。 写真・秋冨哲生

<参考>
ボッチャでチームビルディング(写真/facebook)
https://www.facebook.com/media/set?vanity=paraphotoclub&set=a.852409166925627

ジャパンパラ水泳競技大会
https://www.parasports.or.jp/japanpara/swimming/

(写真・秋冨哲生、校正・地主光太郎)

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