神戸2024パラ陸上、女子走り幅跳びT64と100mT64で、オランダの両足義足のチャンピオン、フルール・ヨング(JONG Fleur/T62)が出場。クラスはT62(両足義足)だが、T64種目(下腿義足)で出場するフルールは幅跳びで6m53の飛距離をマークして優勝した。
「幅跳びと100を両方極めることが大事」
どんなトレーニングをしたら良い記録を出せるのか?という問いに、
「100mを速く走ることが重要です。100m走と幅跳びの両方を極めることです。100mが速くなればより遠くまで跳べるようになるし、もちろん100mの練習にもなります。両方やることで一石二鳥なのです。つまり、助走のスピードなのです。助走路でのスピードが、より遠くへのジャンプを可能にします。(飛ぶときは)当然踏み切りますが、スピードがあれば遠くまで飛べます」と。
フルールは主に冬にハードなトレーニングを行うことで、夏には休息を取りながら、量をこなす代わりに質の高い練習にシフトすると、そのやり方が見事に成功したようだ。
100mT64のレースでも優勝
「幅跳びと100m両方をやることが相互に重要」と話していたフルールは、翌日(5月21日)行われた100mT64でも大会記録(12.71)をマークして優勝した。
「跳躍はトレーニングの成果があった。本当に強くなったと思える。今度はそれをどう走りに生かすか、実はまだ模索中なんです。新しいバランスを見つけたいところ」と、100mのレースのあとフルールは話していた。
神戸では、競技を堪能した。
「日本の食べ物なら何でも好き。餃子、なすびとか刺身とか、そういうのが好きですね!」と語るフルール。この後少しの休みがとれるという。神戸を十分に堪能して帰国することだろう。
6月にパリとオランダのレースをこなし7月からパリパラリンピックにむけてのトレーニングに入る。パリでの活躍を期待する。
(取材協力 中村 Manto 真人、編集・校正 そうとめよしえ、地主光太郎)