神戸2024パラ陸上世界選手権・最終日(5月25日)。男子100mT63(義足・下腿切断)は、世界記録保持者でTokyo2020の銀メダリスト、Vinicius GONCALVES RODORIGUES(BRA)、同じく銅のレオン・シェーファー(GER)、パリ2023パラ陸上世界選手権の金メダリスト デ ヨング(NED)と実力者が揃うレースとなった。デ ヨングとシェーファーは大会3日目の走り幅跳びT63でも1、2位を争っている。
このTokyo2020で活躍したシェーファーとパリに向けて力をつけているデ ヨングの対決は、後半伸ばしたシェーファーが12.03の大会記録で優勝。2位にはPuseletso Michael MABOTEMABOTE(ZAF)が入り、デ ヨングは3位に終わった。
金メダルを獲得したシェーファーは開口一番「とても満足だ。ほっとしたよ。以前、みんなが自分のことを走り幅跳びの選手と言っていたけど、『僕はスプリンターでもある』それを金メダルで証明できた」と喜びを語った。
銅メダルに終わったデ ヨングは「三週間前に怪我をし、スターティングブロックについたのは怪我以来初めて。結果には納得している」と語った。パリパラリンピックの出場は内定済みで、パリに向かって成長途上。「怪我がなければもう少し早く走りたかった」と冷静に語るが心中はどうだろう。
パリでは「100mと幅跳びで金を獲る」と宣言する両者。「追いかけられるのは好きだ。得たものを守るためになんでもする」と語るシェーファーが神戸の再現を果たすのか、万全の準備でデ ヨングが有言実行するのか。それとも、今回、存在感をあげたMABOTEが割り込むのか、4位に終わったGONVALVESが巻き返すのか、Daniel Wagner(DEN)等今回参加していない選手が踊り出るのかパリのレースが非常に楽しみだ。
(校正・佐々木延江、そうとめよしえ)