ラ・デファンス・アリーナでのパリパラリンピック水泳3日目を迎えた8月31日(現地時間)、夏を惜しむような拍手と声援がさらに大きくなった。
日本チームは、北京大会(2008年)から5大会出場のエース・木村敬一が男子50m自由形で金メダル、そして、若手のエース・窪田幸太が男子100m背泳ぎで銀メダルを獲得した。
3年前の東京大会で100mバタフライS11の金メダルで、日本中のパラリンピック・ファンを沸かせた木村敬一は、競技人生2個目の金メダルを見事に獲得した。無観客で行われた東京大会での金メダルには足りなかったもの「熱狂する観客」の中での金メダルだ。
「スポーツを見て熱狂する(ヨーロッパの)文化を僕自身すごく感じています。選手たちみんな感じてると思う。これは誰もができる体験じゃないことを肝に銘じながら引き続きやっていきたいと思います」
窪田は100m背泳ぎを1:07.03で泳ぎ銀メダルを獲得した。昨年(2023年)のマンチェスターでの世界選手権での2位からパリでの優勝を目指し、ゴール直前の対策を念頭に積み重ねてきたが、今回はその課題をクリアしきれない結果となった。
「去年の世界選手権と同じような負け方だった。そこが一番悔しい」と、窪田。金メダルのスペインの選手は後半に強いタイプで、窪田はその逆、前半から飛ばしていく泳ぎ。窪田は悔しい思いでレースを終えた。ライバルとの大勝負だった。
そして、窪田を目標に追う、荻原虎太郎は予選・決勝と自分の泳ぎができた。
会場は、フランス国内のファンが一挙に増え、決してバリアフリーとは言えない街を変えるきっかけになると期待できる。
東京では無観客で実現できなかったことを、パリのスポーツのパワーを得て実現していく中で、フランスでのパラリンピックイベントが未来を明るく照らしていると感じた。
(校正・そうとめよしえ)