
「水泳の聖地」として幅広い年代のスイマーに長く親しまれてきた「東京辰巳国際水泳場」が、新たに「東京辰巳アイスアリーナ」として生まれ変わり、9月6日に開業を迎えた。

都立施設では初めてのアイスリンクとしてオープンした東京辰巳アイスアリーナ。東京2020五輪で水球の会場として利用された「東京辰巳国際水泳場」をアイスリンクとして改修した施設で、元々のプールの場所を活かし、2面リンクを実現した。メインリンクは縦60m×横30mの国際規格に対応しており、様々な大会の開催も可能。サブリンクにはカーリングシートを常設し、スケートやアイスホッケー、カーリング、パラアイスホッケー、車いすカーリングを季節を問わず一年中、楽しむことができる。

開業初日にはオープニングセレモニーが開かれ、小池百合子東京都知事やトリノ2006五輪金メダリストの荒川静香、バンクーバー2010五輪銅メダリストの高橋大輔、ミラノ・コルティナ2026パラリンピック、車いすカーリング日本代表内定の小川亜希らが出席した。
小池知事は「これから様々な大会が開催され、たくさんの感動を生むことを期待している。東京辰巳アイスアリーナに親しんだ子どもたちから世界のトップに立つ選手が出ていけば」と将来に期待を寄せた。荒川は「ウィンタースポーツは非常に練習場所やトレーニング環境を確保するのが難しい競技」とした上で、「来年のミラノ・コルティナ大会へ向け、練習を頑張っている選手たちが沢山いる。皆さんでアスリートを応援しながら、より多くの方がこのアイスアリーナで良い時間を過ごしてほしい」と願いを込めた。

今年3月にイギリスで行われた車いすカーリング混合ダブルスの世界選手権で優勝し、来年のミラノ・コルティナ大会への内定を決めた小川は「これから世界へ羽ばたくトップ選手が育つ場所として、また家族で楽しめる場所として愛される施設になることと思う。私もここでカーリングができると考えると今からワクワクする」と話し、関東の新たな氷上スポーツ施設の誕生に喜びを語った。

「水の舞台」から「氷の舞台」へ。東京辰巳アイスアリーナが競技力向上の場として活用されるとともに、多くの人が気軽に利用できる施設として、氷上スポーツの裾野を広げることもまた、期待される。





(校正・佐々木延江)






