公開: 2025年9月25日 at 5時19分 — 更新: 2025年9月26日 at 10時11分

世界パラ水泳・混合4×100m 49ptメドレーリレーでアジア記録更新!日本、銅メダルで世界記録と14秒差に迫る【DAY4・フォトレポート】

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2025年9月24日(水)、シンガポールのOCBCアクアティックセンターで開催中の「トヨタ・パラ水泳世界選手権シンガポール2025」4日目。世界記録(ブラジル/4分23秒48)を更新した混合4×100mメドレーリレー(49ポイント)で日本も4分37秒90のアジア新記録を樹立し、銅メダルを獲得した。中国を振り切っての表彰台は、日本チームの総合力を示す快挙となった。

表彰式を終え、メダルとともに記念撮影 写真・秋冨哲生

混合49ptメドレーリレーは、視覚障害の選手によるチーム編成が49ptを超えてはならない。そのチーム編成や戦略がレース展開の鍵を握る。

混合4×100mメドレーリレー(49pt)表彰式でメダルを受けるチーム。その中心に、20年間挑みつづけ初のメダルとなる石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼) 写真・秋冨哲生

レースはブラジルが独走、スペイン(欧州新記録/4分25秒33)が続く展開。日本は250m通過段階でブラジルから13秒差の3位をキープし、最後までその座を譲らなかった。

第1泳者(背泳ぎ)石浦智美(S11/伊藤忠丸紅鉄鋼)

石浦は、1:22.86で安定した滑り出し。2006年から世界の舞台に挑み続けるベテランが、20年越しのメダルをつかんだ。 写真・秋冨哲生

第2泳者(平泳ぎ)齊藤元希(S13/スタイル・エッジ)

1:11.01を刻み、自己ベストでチームの流れを押し上げた。連日の個人種目では日本新記録更新している斉藤、安定したパフォーマンスを発揮した。 写真・秋冨哲生

第3泳者(バタフライ)木村敬一(S11/東京ガス)

1:01.92と力強い泳ぎで日本の3位を確実にした。「引き継ぎしやすい泳ぎだった」と辻内が称える、個人種目で前日銅メダルを獲得したバタフライでチームに貢献した。 写真・秋冨哲生

第4泳者(自由形)辻内彩野(S12/三菱商事)

1:02.11でフィニッシュ。中国との差を広げ、トータル4:37.90(3位)でゴールしアジア記録を更新した。 写真・秋冨哲生

泳者たちの声

表彰台を飾る、1位・ブラジル(WR 4:23.48)、2位・スペイン(ER 4:25.33)、3位・日本(AS 4:37.90) 写真・秋冨哲生

アンカーを担った辻内は「みんなが頑張れば世界で勝てる、チームでメダルを獲得できて本当に嬉しい」と笑顔を見せた。
石浦は「個人種目ではふがいない結果に終わったが、仲間に支えられて結果を残せた。明日からまた挑戦したい」と前向きに語った。
木村は「4人全員がメダリスト級になれば世界で勝てる。今日はチーム力の成果を喜び、さらに上を目指す空気をつくりたい」と冷静に分析した。
齊藤も「自分の役割を果たせたことが嬉しい」と、チームへの信頼と満足感を口にした。

世界との距離と課題

強豪ブラジル、スペインが世界新・欧州新を記録した一方、日本のアジア新は14秒差。49ポイントリレーの国際水準は依然として高く、木村が指摘したように「個々の底上げ」は不可欠だ。それでも、中国を抑えた銅メダルと記録更新は「世界に迫る」手応えを示した。

今後へ

「4人全員がメダリスト級に」という言葉通り、みんなで力を合わせてつかんだこのアジア記録は、日本が抱える「若手層の薄さ」という課題を克服するための大きな励みとなるだろう。複数種目に挑戦する若手を育む、将来の世界へ挑戦する次世代へ受け渡すバトンとなった。

表彰大型観客席、チーム席に手を振る日本代表リレーチーム 写真・秋冨哲生
表彰台を喜ぶ観客席の日本代表チーム、上垣匠監督ら 写真・秋冨哲生

また、この銅メダルは、2006年から世界に挑み続けた石浦智美が20年求め、手にした悲願のメダルであった。チームの努力と重なり、アジア記録を塗り替えたこのリレーは、トビウオパラジャパンの新しい未来を描くレースとなった。世界との差はまだ大きいが、確かな、銅色の輝きがつぎの一歩を照らした。

(写真取材・秋冨哲生 校正・久下真以子、そうとめよしえ)

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