鈴木50m自由形で銅メダル

鈴木孝幸(GOLDWIN)は、男子50m自由形S4が大会最後の種目となった。予選を37.85の1位で通過した鈴木は、「決勝では後半25mをどう上げられるか」とポイントを語っていた。決勝では37.73をマーク。メキシコのカマチョ・ラミレス(CAMACHO RAMIREZ Angel De Jesus)に0.01秒差で競り勝ち、銅メダルを獲得した。


「もう少しタイムを出したかったが、後半思ったほど上げきれなかった。パリ翌年にもかかわらずクラスのレベルはさらに高かった。今年の目標はタイム的にクリアできた。最低ラインは達成したので、来年に向けコーチと話し合いながら次の目標を決めたい」と振り返った。
辻内、100m自由形で銀メダル

辻内彩野(三菱商事)は、女子100m自由形S12の予選を1:02.01で1位通過した。「昨日のリレーより余裕のある泳ぎができた」と好調ぶりを口にした。決勝ではブラジルのマリア・カロ(GOMES SANTIAGO ARAUJO Maria Carorina)に0.22秒差まで迫る1:00.73でゴール。銀メダルを手にした。


「ターン後、両脇にカロともう一人が見えて、案外いけるかと思った。最後は手が上がらなかったが、タイムを見て涙が出た。彼女たちを意識して備えてきたことがメダルにつながった。カロより真ん中に入れたのが嬉しかった」と語った。

石浦、100m自由形は4位。メダルを逃す

女子100m自由形S11(予選なし)決勝に挑んだ石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼)は、1:10.10で4位だった。レース後、「ただ、ただ悔しい。今は何も考えられない」と言葉を残し、失意の念をにじませた。
西田、50mバタフライ、6位入賞

西田杏(シロ)は、メインの女子50mバタフライS7予選を37.97の6位で突破し「パリ大会では決勝に進めなかったので、自分の力で決勝に行けて嬉しい」と喜んだ。決勝では37.41をマークし、6位に入賞。
「仲良しのライバル、コロンビアのサラ・バルガス(VARGAS BLANCO Sara/COL)が初めてメダルを取れて嬉しい」と笑顔を見せた。
山口、200m個人メドレーに挑戦
男子200m個人メドレーSM14決勝に出場した山口尚秀(四国ガス)は、2:08.20で泳ぎ切り、4位に入賞した。
このレースでは、世界記録(2:05.40)が更新されただけでなく、ヨーロッパ記録(2:05.84)も塗り替えられるハイレベルな展開となった。

山口は得意の平泳ぎで6位から4位へと順位を押し上げてフィニッシュ。「2分5秒台が2人も出ていて、世界のレベルがさらに上がったことを感じた。自分はリラックスして泳ぐことだけを意識した。今後は200m平泳ぎを、個人メドレーと同じくらいのタイムで泳げるようにしたい」と、次の目標を語った。
川渕、400m自由形、6位入賞

川渕大耀(NECグリーン溝の口)は、メインの男子400m自由形S9で予選やや硬さが見られたが4:23.51、5位で予選通過。決勝では4:21.09で6位入賞。パリ後に競技環境を変えて取り組み、自己ベスト(04:16.76)はメダル圏内に入るまで成長してきた。
「コーチがいてくれたら」と悔しさをにじませつつも、着実に力をつけている。
キャプテン・窪田、50m自由形で最終種目を終える

窪田幸太(NTTファイナンス)は男子50m自由形S8に出場し、28秒30で予選11位となった。メイン種目の背泳ぎよりも落ち着いて泳げたと振り返り、「パラリンピック翌年でも全体のレベルが上がっている」と実感を語った。競技をすべて終えた窪田は、ここからはキャプテンとしてチームを支える役割に回り、仲間たちの戦いを全力で後押ししていく。
終盤戦に挑む日本代表
大会は残りわずか。パラリンピック翌年とは思えないハイレベルな戦いが続くなか、日本代表も着実に存在感を示している。最終盤でのさらなる飛躍に期待がかかる。
(写真取材・秋冨哲生 校正・久下真以子、そうとめよしえ)






