公開: 2025年9月26日 at 8時55分 — 更新: 2025年9月27日 at 16時14分

世界パラ水泳・日本勢、辻内の銀と鈴木の銅で存在感!大会は終盤へ【DAY5・フォトレポート】

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2025年9月25日(木)、シンガポールのOCBCアクアティックセンターで開催中の「トヨタ・パラ水泳世界選手権シンガポール2025」5日目。ここまでで日本は、金メダル1、銀メダル2、銅メダル4を獲得し、そのうちアジア記録1を樹立した。大会全体では世界記録18、大会記録47が更新され、競技はいよいよ終盤を迎えている。

鈴木50m自由形で銅メダル

50m自由形S4を泳ぎ終えた鈴木孝幸(GOLDWIN)は、0.01秒差でメダルを獲得した。 写真・秋冨哲生

鈴木孝幸(GOLDWIN)は、男子50m自由形S4が大会最後の種目となった。予選を37.85の1位で通過した鈴木は、「決勝では後半25mをどう上げられるか」とポイントを語っていた。決勝では37.73をマーク。メキシコのカマチョ・ラミレス(CAMACHO RAMIREZ Angel De Jesus)に0.01秒差で競り勝ち、銅メダルを獲得した。

男子50m自由形S4表彰式。1位・DADAON Ami Omer(ISR)、2位・LESLIE Cameron(NZL)、3位・鈴木孝幸 写真・秋冨哲生
メダル表彰式を終えた鈴木 写真・秋冨哲生

「もう少しタイムを出したかったが、後半思ったほど上げきれなかった。パリ翌年にもかかわらずクラスのレベルはさらに高かった。今年の目標はタイム的にクリアできた。最低ラインは達成したので、来年に向けコーチと話し合いながら次の目標を決めたい」と振り返った。

辻内、100m自由形で銀メダル

女子100m自由形S12を泳ぐ辻内彩野 写真・秋冨哲生

辻内彩野(三菱商事)は、女子100m自由形S12の予選を1:02.01で1位通過した。「昨日のリレーより余裕のある泳ぎができた」と好調ぶりを口にした。決勝ではブラジルのマリア・カロ(GOMES SANTIAGO ARAUJO Maria Carorina)に0.22秒差まで迫る1:00.73でゴール。銀メダルを手にした。

メダル表彰式を終えた辻内彩野 写真・秋冨哲生
(ずっと出せなかった)タイムを確認して思わず涙した辻内 写真・秋冨哲生

「ターン後、両脇にカロともう一人が見えて、案外いけるかと思った。最後は手が上がらなかったが、タイムを見て涙が出た。彼女たちを意識して備えてきたことがメダルにつながった。カロより真ん中に入れたのが嬉しかった」と語った。

辻内を支えた祖母と、先輩(9月5日に55歳で亡くなった成田真由美さん)を忍んで、天を仰ぎメダルを掲げた。 写真・秋冨哲生

石浦、100m自由形は4位。メダルを逃す

女子100m自由形S11を泳ぐ石浦智美 写真・秋冨哲生

女子100m自由形S11(予選なし)決勝に挑んだ石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼)は、1:10.10で4位だった。レース後、「ただ、ただ悔しい。今は何も考えられない」と言葉を残し、失意の念をにじませた。

西田、50mバタフライ、6位入賞

泳ぎ終えた西田杏(シロ)。中の良いサラのメダルを讃える 写真・秋冨哲生

西田杏(シロ)は、メインの女子50mバタフライS7予選を37.97の6位で突破し「パリ大会では決勝に進めなかったので、自分の力で決勝に行けて嬉しい」と喜んだ。決勝では37.41をマークし、6位に入賞。
「仲良しのライバル、コロンビアのサラ・バルガス(VARGAS BLANCO Sara/COL)が初めてメダルを取れて嬉しい」と笑顔を見せた。

山口、200m個人メドレーに挑戦

男子200m個人メドレーSM14決勝に出場した山口尚秀(四国ガス)は、2:08.20で泳ぎ切り、4位に入賞した。
このレースでは、世界記録(2:05.40)が更新されただけでなく、ヨーロッパ記録(2:05.84)も塗り替えられるハイレベルな展開となった。

男子200m個人メドレーSM14の平泳ぎパートで順位を上げる山口 写真・秋冨哲生

山口は得意の平泳ぎで6位から4位へと順位を押し上げてフィニッシュ。「2分5秒台が2人も出ていて、世界のレベルがさらに上がったことを感じた。自分はリラックスして泳ぐことだけを意識した。今後は200m平泳ぎを、個人メドレーと同じくらいのタイムで泳げるようにしたい」と、次の目標を語った。

川渕、400m自由形、6位入賞

男子400m自由形S9を泳ぐ川渕大耀(NECグリーン溝の口) 写真・秋冨哲生

川渕大耀(NECグリーン溝の口)は、メインの男子400m自由形S9で予選やや硬さが見られたが4:23.51、5位で予選通過。決勝では4:21.09で6位入賞。パリ後に競技環境を変えて取り組み、自己ベスト(04:16.76)はメダル圏内に入るまで成長してきた。
「コーチがいてくれたら」と悔しさをにじませつつも、着実に力をつけている。

キャプテン・窪田、50m自由形で最終種目を終える

男子50m自由形S8を泳ぐ、窪田幸太(NTTファイナンス) 写真・秋冨哲生

窪田幸太(NTTファイナンス)は男子50m自由形S8に出場し、28秒30で予選11位となった。メイン種目の背泳ぎよりも落ち着いて泳げたと振り返り、「パラリンピック翌年でも全体のレベルが上がっている」と実感を語った。競技をすべて終えた窪田は、ここからはキャプテンとしてチームを支える役割に回り、仲間たちの戦いを全力で後押ししていく。

終盤戦に挑む日本代表

大会は残りわずか。パラリンピック翌年とは思えないハイレベルな戦いが続くなか、日本代表も着実に存在感を示している。最終盤でのさらなる飛躍に期待がかかる。

(写真取材・秋冨哲生 校正・久下真以子、そうとめよしえ)

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