11月20日、大会6日目。京王アリーナTOKYOでバドミントン混合ダブルス決勝トーナメントが開催された。日本の沼倉昌明(トレンドマイクロ/筑波技術大学)・沼倉千紘(坂戸ろう学園/筑波技術大学)ペアは17日に行われた予選を1位で通過し、この日に挑んだ。

夫婦だからこそ本音でコミュニケーション
昌明と千紘は、2018年に結婚し夫婦で混合ダブルスのペアを組む。普段から共に練習を重ね、生活をともにしながら日々磨かれる卓越したコミュニケーション能力を強みに戦ってきた。今回のデフリンピックは、昌明にとって3度目、千紘にとって4度目の国際舞台。混合ダブルスはコンビを組んで3度目の出場だった。アジア太平洋ろう者競技大会などへの出場経験もある。
ダブルス競技の難しいところを聞くと、昌明は「(デフバドミントンの場合)後ろの選手の動きが音で把握できないこと」だとコメントしている。そのため、日ごろから相手の癖や動きを把握し、状況を読み合う関係性を大事にしているという。一方、相方の千紘は夫婦であることに強みがあるという。「練習でも試合でも、感じたことを率直に伝え合い、納得いくまで話し合える仲」だ。本音でぶつかり合えるからこそ、ふたりの連携は試合ごとに精度を増してきた。

心はひとつ、決戦のコートへ
バドミントンの混合ダブルスは45チームが出場。17日から18日にかけて、AからOの15グループにわかれ、各グループ3チームの総当たり戦を行った。その後、各グループの上位2チームの合計30チームがノックアウト方式の決勝トーナメントへと進んだ。沼倉ペアは、予選グループ1位で通過し決戦に挑んだ。
ラウンド1の相手は、Jincheol JEONG&Soyi PARK(韓国)ペア。序盤から主導権を握った沼倉昌明&千紘ペアは、持ち前の連携で相手を揺さぶり、自分たちのリズムへと試合を引き寄せた。結果は 21-16、21-15。ストレート勝ちを収めた。
続くラウンド2。相手は若く勢いがあるSoumyadeep CHAKRABORTY&Aaditya YADAV(インド)ペア。1ゲーム目は一進一退の展開が続くも、中盤に連続7失点。一気に相手のペースになり、10-21 でゲームを落とす。巻き返しを狙った2ゲーム目は、10-10の均衡から勝負どころで踏ん張れず、さらに 3連続、4連続失点 を重ねてしまう。最後まで諦めず食い下がるも、15-21。無念の敗戦となった。
試合後、千紘は「悔しさはありますが、自分にできることはしっかり発揮できたと思います」と振り返った。一方「悔いはない」と語った昌明だったが、混合ダブルスで届かなかった上位進出を太田歩(ジェイエア)と組んだ男子ダブルスでこの後の試合で実現。粘り強い戦いを重ね、最終順位は4位に入賞した。




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試合模様はFacebookアルバムで。
(編集校正 田中 綾子、校正 佐々木延江)






