
聖火は消えても、灯り続けるもの
国際パラリンピック委員会(IPC)のAndrew Parsons会長は、大会を振り返り、パラリンピックが残した最大の遺産は「記録やメダルではない」と強調した。
「この大会が社会にもたらしたのは、障害ではなく能力に目を向ける“認識の変化”である」と。
アスリートたちが示した挑戦と創造性は、スポーツの枠を越え、社会の価値観そのものに問いを投げかけた。パラリンピックが長年掲げてきた「可能性への視点」が、世界に確かな印象を残した瞬間であった。
分断の時代に、スポーツが示す灯台
一方、大会組織委員会のジョヴァンニ・マラゴ会長は、現在の国際情勢に触れながら、スポーツの役割を次のように語った。
「世界にはいまも分断や紛争がある。しかしスポーツは、人々をつなぎ、平和と連帯を示す灯台となる」
この大会では、アルプスの山々に囲まれたコルティナと、歴史都市ミラノという二つの舞台が結びつけられた。聖火はその象徴として、二つの都市に同時に灯され、そして同時に消された。
炎は消灯したが、パラリンピックの精神が消えることはない。
競技の記録だけではなく、アスリートたちが示した姿勢や言葉、そして社会に広がった理解と共感こそが、この大会の本当のレガシーである。
ミラノとコルティナを結んだ炎は消えた。
しかし、その光は次の大会へと受け継がれていく。
次の冬季パラリンピックは、2030年、フランス・アルプスで開催される予定。






