公開: 2026年5月24日 at 8時07分 — 更新: 2026年5月24日 at 9時04分

世界最高峰のスピードを体感。竹内真子、初の横浜で見つけた課題と手応え 〜横浜パラトライアスロン PTVI〜

知り・知らせるポイントを100文字で

視覚障害クラスで世界に挑んだ日本勢。竹内真子(女子6位)、樫木亮太(男子4位)らがレースを振り返り、課題と手応えを語った。LA2028パラリンピックへ、それぞれの戦いが続く。視覚障害メディアSpotlite 共同取材。

2026年5月16日(土)、ワールドトライアスロン・パラシリーズ横浜大会が開催され、視覚障害クラス(PTVI)には世界各国からトップアスリートたちが集結した。

男子PTVIでは、セルビアのLazar Filipovic(B1)が55分41秒で優勝。日本勢では樫木亮太が4位、山田洋介が7位に入った。女子PTVIではアメリカのMcClain Hermes(B1)が制し、日本の竹内真子(ガイド:巌淵知乃)は6位でフィニッシュした。

竹内真子とガイド・巌淵知乃のフィニッシュ。 写真・山下元気

世界トップレベルが集う横浜の舞台。その空気を真正面から受け止めながら、それぞれが次につながるレースを刻んだ。

■「悔しい」で終われた横浜。竹内真子が見つけた課題と成長

5月16日(土)、世界トップとともにスイムスタート 写真・そうとめよしえ

女子PTVIで6位となった竹内真子は、レース後、「今日は本当に楽しかったです」と振り返った。

「スイムは結構苦手」と話す竹内だが、この日は「練習がいい方向にできていて、継続してやっていこうと思えた」と一定の手応えを口にした。

一方で、バイクとランには課題を感じている。

「2種目続けて練習する時間が少なかった。もう少し強化していかないといけない」
レースを終え、「悔しい」という感情が残ったことも、次へのモチベーションになっている。
「次のレースでは、今以上のタイムを出せるように頑張りたい」

竹内真子とガイド・巌淵知乃のバイクパート。 写真・秋冨哲生
竹内真子とガイド・巌淵知乃のランパート。 写真・秋冨哲生

横浜は、アジア選手権やオーストラリア遠征とはまた違う空気だったという。
「海外の選手や応援の声も多くて、ちょっと圧倒されました」
それでも、山下公園周辺のフラットなコースについては「走りやすかった」と語る。一方で、ガイドとの連携についても課題を感じた。
「バイクは、ガイドさんともっと合わせられると、お互いが楽に速く進めるのかなと思いました」

今回ガイドを務めた巌淵知乃とは、大会で初めてペアを組んだ。
「まだこれから作っていく段階。でも、練習の時よりはうまくいったかなと思います」

竹内はブラインドサッカーとの“二刀流”でも知られる選手だ。インタビューでは、それぞれの競技の違いについても語った。

「ブラインドサッカーはチームスポーツなので頭を使う。トライアスロンは自分との戦い」

2025年2月17日、ノーマライゼーションカップで競り合う竹内真子とKomal Gaikwad(インド) 写真・内田和稔

一方で、ブラインドサッカーで培った感覚やイメージ力は、トライアスロンにも活きているという。特に苦手とするスイムでは、「イメージ作り」を重視している。

「足首が硬いので、体幹を浮かせてキックを打つ練習をしています。水中でも、この部分を意識して泳ぐというイメージを作っている」

さらに、レース中には目を休める感覚もあるという。「バイクでは目をつぶっていることも多い。ランに備えて休めたり、波の感覚を感じたりしています」

現在は、世界選手権やアジア選手権など今後の国際大会を見据えている。
「各レースで30秒、1分ずつでもタイムを更新して、来年のパラリンピック選考につなげていきたい」
そして、その先に見据えるのはロサンゼルス2028パラリンピックだ。
「ブラインドサッカーも続けながら、日々のトレーニングを積み重ねていきたい」

■男子PTVI、日本勢も世界に挑む

男子PTVI(視覚障害)で4位に入った樫木亮太のフィニッシュ。 写真・山下元気

男子PTVIでは、樫木亮太が4位に入った。レース後には、「とにかく最高です」と充実感をにじませた。
特に課題として取り組んできたランについては、「去年の反省だった」と語る。

バイクパートを漕ぐ樫木亮太。 写真・秋冨哲生
樫木亮太(左)とガイドのランパート。 写真・秋冨哲生

「去年はランで思うように走れなかった。バイクの強化と、疲れた後のラン練習をやってきました」
その成果もあり、「ランが一番良かった」と振り返った。今年は海外勢との差も強く感じているという。
「海外選手たちが速いので、そこに食らいついていけるように成長したい」

一方、山田洋介は7位でレースを終えた。
レース後は「改善しないといけない部分が見えた」と振り返った。

山田洋介とガイドのランパート。背後からは先頭を走るセルビア・ペアが迫る 写真・秋冨哲生

山田は、視覚障害クラスの魅力について、こう語った。
「2人で1つのチーム。やってきたことが全部タイムに出る。残酷でもあり、面白いスポーツ」
また、これから競技を知る人たちに向けては、「まずは会場に来てほしい」と話す。
「こういうレースなんだ、こういう競技なんだって、実際に見るのが一番早いと思う」

世界のトップスピードが駆け抜けた横浜。その中で、日本の選手たちもまた、自分たちの現在地と未来への課題を持ち帰った。

ロサンゼルス2028へ向けた戦いは、すでに始まっている。

((写真・山下元気、秋冨哲生、そうとめよしえ 校正・佐々木延江)

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