愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会の開会式に先立ち、10月17日、名古屋市総合体育館(レインボーホール)でボッチャ競技が始まった。

男子個人BC3クラスの予選グループ第3ラウンドでは、日本の高橋和樹(フォーバル)が韓国のJEONG Howonと対戦。2度のタイブレークにもつれ込む接戦を制した。
高橋にとって、この会場は特別な場所である。
5歳から柔道に取り組み、全国大会にも出場した高橋は、高校2年生のとき、名古屋で行われた柔道の試合で頚椎を損傷した。その会場が、今回のボッチャ競技の舞台となったレインボーホールである。
その後、2014年にボッチャを始め、リオ2016、東京2020パラリンピックに出場。東京大会ではBC3ペアで銀メダルを獲得した。
約30年を経て、かつて柔道選手として立った会場に、今度はボッチャ日本代表として戻ってきた。

対戦相手のJEONG Howonは、韓国を代表するボッチャ選手。両者一歩も譲らない攻防は、タイブレークでも決着がつかず、2度目のタイブレークへ。

最後の1球まで勝敗の分からない緊迫した展開を、高橋が制した。
試合後、高橋が語ったのは、勝利の喜び以上に、多くの観客の声援の中でプレーできた楽しさだった。
「めちゃくちゃ楽しかった」
会場には顔見知りだけでなく、初めて見る人たちも大勢いた。拍手や声援を送り、試合を盛り上げてくれたことが、何より印象に残ったという。
一方、試合内容については、序盤に詰めの甘さがあったと冷静に振り返る。それでも、2度のタイブレークを経て、最後の1球という場面で勝ち切れたことに手応えを感じていた。
柔道選手として試合に臨んだ会場で、今度はボッチャ選手としてアジアのライバルと競い合う。
かつて負傷した場所が、再び国際大会で競い、観客とスポーツの喜びを分かち合う場所となった。
「めちゃくちゃ楽しかった」
高橋の言葉が、レインボーホールで迎えたアジアパラ初日を物語っていた。






