
愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会の陸上競技が10月22日、名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)で行われ、男子400m(T51/T52切断・機能障害)決勝では、佐藤友祈(モリサワ)が55秒42の大会新記録で金メダルを獲得。伊藤智也(バイエル薬品)が銀メダル、伊藤竜也(新日本工業)が銅メダルに輝き、日本勢が表彰台を独占した。
「日本コールに胸が熱くなった」佐藤友祈が大会新で2冠
前日21日の男子100m(T51/T52)決勝では、佐藤が17秒25の大会新記録で金メダルを獲得。大矢勇気が銀メダル、伊藤智也が銅メダルで、日本勢が表彰台を独占した。東京2020パラリンピックの金メダリストの佐藤はこの日、400m決勝でスタートから力強い走りを見せ、55秒42の大会新記録でフィニッシュ。今大会2個目の金メダルを手にした。

スタンドには大勢の観客が駆けつけた。「東京パラの時は無観客での開催だったので、選手紹介や入場の時に声援や歓声は少なかった。今回は学生たちや一般のお客さんがたくさん応援の声を届けてくれた。『ニッポン』というコールを聞いて、胸が熱くなるものがあった。ここはしっかり金を取らないといけないという思いに、さらに駆り立てられた」と佐藤は振り返る。


さらなる成長へ。今後の伸び代は
レースは序盤から主導権を握る展開だった。「第1コーナーの100m地点までに、伊藤選手二人を早い段階で捉えることができた。そこからしっかり加速をかけて、後半なるべく失速しないように、加速をキープする走りはできたと思う」と佐藤。一方、自己ベストの53秒41には届かなかった。「せっかくならこの大きい大会でも自己ベストを出したかった。届かなかったことは受け止めている」と佐藤。金メダル獲得にも満足することなく、さらなる成長を見据える。
今後の課題は、スタート時の動きだという。「自分ではピッチを細かく、リズミカルに叩いているつもりでも、映像で見るとワンテンポ、ツーテンポ遅れて見えることがある。そこを改善していかないといけない」と佐藤。世界選手権、そしてロサンゼルス2028パラリンピックでの金メダル獲得を目指す。

亡き盟友との約束 日本勢が2日連続の表彰台独占
今大会、日本のT52クラスの選手たちには、特別な思いがあった。今年9月、長年練習を共にしてきた上与那原寛和が、練習中の交通事故で亡くなった。佐藤ら日本選手たちは、亡き盟友に「日本勢で表彰台を独占する」と誓っていた。21日の100mに続き、22日の400mでも、その約束を果たした。「今回、日本勢で表彰台を独占するということは、T52の選手たちとも話をしていた。それぞれがベストを出して、表彰台に絡める走りをしようと話し合っていたので、結果として実現できて良かった」と佐藤は振り返った。400m決勝では、63歳の実力者、伊藤智也が1分01秒83で銀メダル、40歳の伊藤竜也が1分03秒69で銅メダルを獲得した。
競い合い、高め合ってきた日本の車いす陸上選手たち。亡き仲間への思いを胸に、自国開催のアジアパラで2日連続の表彰台独占を成し遂げた。









