ファンの視点から考える。第5回・日本アンプティサッカー選手権大会、使えるすべてをむき出しにして戦う競技!

 〜パラスポーツに共通な課題、担い手不足、普及の難しさ〜

メンバーの貸し借り

 応援していた金井の所属チームは、23日の5位決定戦に勝利したが、残念ながら、生で観戦した試合では相手の気迫に負けてしまった。
 実は、今大会、金井のチームは千葉と北海道の連合チームであった。事前に合同練習することもできず、いわば、ぶっつけ本番で挑んだ大会であった。

 団体競技では、仲間の調子や癖を理解した上で、自らのポジションを考えていかなければならない。それが得点を重ね、失点を防ぐという行為につながる。
 筆者達もクラブ対抗の試合で、プレイヤーの貸し借りを行うことはあるが、日ごろから一緒にいるわけではないレンタルプレイヤーを生かすためには、チーム内でのコミュニケーションが重要である。
 サッカーの場合は、任意にメンバーチェンジをすることができず、またピッチが広いだけに、プレイヤー間での声かけが重要になってくるのだなあと感じる。ピッチ上でコミュニケーションの取れていたチームは、自らチャンスを作り出していたし、しっかりと得点を伸ばしていた。

苦戦するファンの獲得

 今大会の入場料金は無料。富士通スタジアム川崎のスタンドは、メイン/バック共に各2000名ずつだが、筆者が見た2試合の間で、メインスタンドが満席になることはなかった。
 川崎球場は、川崎駅から徒歩15分の立地。加えて競輪の本場に隣接しており、これは、川崎時代のロッテが集客に苦しんだ一因でもある。
 昨日もまさに競輪開催中であり、試合中に残り周回がわずかとなったことを伝える鐘が聞こえてきた。
 フリーの客、たとえば家族連れなどは期待できない状況で、スタンドにいるのは、恐らくは選手・チームの関係者、家族とその友人までだろうか。
 天候が今ひとつの連休だったこともあり、会場に行くことを諦めた方も多かったかもしれない。
実は筆者も、神奈川県に在住の同僚に声をかけてはいたのだが、体調を崩したり、家族の予定と合わず、観戦できなかったという状況であった。

 歴史の浅いアンプティサッカーは、頻繁に体験会などのイベントを開催し、競技の認知をあげ、試合のアナウンスを行っている。今回の大会でも、地元川崎のNPOが、アンプティサッカーを含む障害者競技の体験イベントを併催されていた。
 決してアンプティサッカーの関係者達がプロモーションをしていないわけではない。むしろ、他の競技と比べて積極的な、放送媒体への登場も含めて、彼らの活動は非常に活発であり、その取り組みは他競技にも伝わってきている。
 それでも、もともと興味があったり、接点がある者に伝わっていても、広がりは限定的にならざるをえない。

 これは筆者の推論に過ぎないが、アンプティサッカーのプレイヤーやスタッフ達は、「サッカー」をやっているのであって、「アンプティサッカー」をしているという意識はないと思う。たまたま、クラッチを使っているだけだと。
 しかし、健常者サッカーのプレイヤー、あるいはサポーターからすると、別の競技をやっているようにしか見られていないというのが現状だろう。

 連休の場合、大人も子供も遠征や大会があることが多いので、どうしても人の試合の応援よりも自分のことで精一杯になってしまうのは、競技に参画する以上仕方ない。自分自身がプレイする関わり方であれば、なおさらである。対戦競技は、ゲームこそが一番の楽しみなのだから。
 また、今大会は、川崎フロンターレが協賛企業として名を連ねている。施設管理者としての協力はもちろんのこと、等々力でのフロンターレの試合でも、フロンターレサポーターへのプロモーションなどの協力があったそうだ。
 しかし、筆者が富士通スタジアム川崎を訪れたその日、今シーズンのJ1の最終節。フロンターレも等々力で試合をやっているのだからサポーターの優先順位としては等々力のほうが高いのも、当然の事である。

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