アイススレッジホッケー, 冬季競技, 長野 — 2020年12月6日 at 1:22 AM

国内クラブチーム選手権大会が開幕。新世代のスターが氷上で暴れる!~パラアイスホッケー

パラアイスホッケーの「国内クラブチーム選手権大会」が12月5日、やまびこスケートの森(長野県岡谷市)で開幕した。試合は2日間の日程で開催され、6日の朝に決勝戦が行われる。

今大会には、去年の成績を元にしたランキング上位4チームが出場。トーナメント形式で試合が行われた。
予選第1試合では長野サンダーバーズ(1位)が東海アイスホークス(4位)を12-0で下し、第2試合では東京アイスバーンズ(2位)がロスパーダ関西(3位)に先制されたものの、3-1で逆転勝利。この結果、長野サンダーバーズと東京アイスバーンズの決勝進出が決まった。

上原大佑のシュート

バンクーバーパラリンピックでの銀メダルに貢献した上原大祐(東京アイスバーンズ)は本日1ゴール。「最近は指導に回ることが多いので、久々にめちゃくちゃ走りました」 写真・秋冨哲生

新世代が大活躍!

この日の最後に行われた3位決定戦では、次世代の若手が大活躍した。ロスパーダ関西が東海アイスホークスに11-0で勝利。このうち8ゴールが、15歳の伊藤樹(ロスパーダ関西)によるものだった。

伊藤樹

予選での先制点、3位決定戦で8ゴール1アシストと大爆発の伊藤樹(ロスパーダ関西)。「ドリブルは取られる気があまりしないんです」写真・秋冨哲生

伊藤は幼稚園から健常のアイスホッケーを始め、事故で脊髄損傷になったことから5年前にパラに転向。所属チームの中心選手としてプレーを引っ張るほか、強化指定選手にも選ばれ、日本代表の柱となることを期待されている存在だ。

伊藤の憧れは、アメリカ代表のデクラン・ファーマー。ファーマーは16歳で初めてソチパラリンピック(2014年)に出場しチームを金メダルに導いた。平昌パラリンピックの決勝でも同点・決勝の2ゴールを決めているドリブラーだ。伊藤も北京パラリンピックの日本代表に選ばれれば16歳での初出場となる。「彼のように活躍したいし、僕もたくさん点を決めたい」と胸を躍らせている。

伊藤樹

「サッカー選手のメッシやネイマールも、自分で切り込んで決められるところがかっこいい」。サッカーだけでなくバスケも参考になるのでよく見ているという 写真・秋冨哲生

日本のパラアイスホッケーは40代や50代などの高い年齢層が多くを占め、「次世代の育成」は長年課題として挙げられてきた。これに対し伊藤は、「氷上では年齢なんて関係ない。僕は世界一の選手になる。誰も寄せ付けない存在になりたい」と、まっすぐに前を見つめていた。

伊藤樹

健常のアイスホッケー時代も合わせると競技歴は9年の伊藤(写真左)。「人生の半分近くはホッケーで出来ているんです」 写真・秋冨哲生

このほかにも、日本スポーツ協会によるアスリート発掘事業「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」(J-STARプロジェクト)により誕生した選手たちも今大会には多く参加している。日本代表の小山幸子チームマネージャーは、「次世代の選手は伸びしろがあるので、どんどんうまくなって来ていると感じている。競技人口を増やすことはずっと課題だったが、競争の原理がようやく働いてきている。来年のクラブチーム選手権はもっと面白いことになると思う」とコメントした。

永井涼太

J-STARプロジェクト生の17歳・永井涼太(ロスパーダ関西)。「最初は緊張したけど、楽しかった。伊藤樹くんのようになりたい」。一生懸命走り、今日は永井もゴールを決めた。写真・秋冨哲生

<参考>
試合結果、ライブ配信の案内など/日本パラアイスホッケー協会
http://sledgejapan.org/

(校正 佐々木延江 写真 秋冨哲生)