関連カテゴリ: サッカー, ブラインドサッカー, ブラインドスポーツ, 新着, 浜松, 観戦レポート — 公開: 2023年1月25日 at 9:45 AM — 更新: 2023年1月25日 at 10:39 PM

第20回アクサブレイブカップブラインドサッカー日本選手権の決勝はパペレシアル品川とたまハッサーズの対戦に

知り・知らせるポイントを100文字で

静岡県浜松市で行われたブラインドサッカー日本選手権の準決勝ラウンド8試合が行われ、現地からレポート。決勝ラウンドは2月11日(土)東京都町田市で行われる。

PK戦でfree bird mejirodaiを下して喜ぶパペレシアル品川の選手たち (写真・内田和稔)

 1月22日(日)、晴天のサーラグリーンフィールド(浜北平口サッカー場・静岡県浜松市)に905名の観客を集めて第20回アクサブレイブカップブラインドサッカー日本選手権の準決勝ラウンド8試合が行われた。パペレシアル品川(グループF 1位)とたまハッサーズ(ワイルドカード)が準々決勝、準決勝を勝ち抜き2月11日(土)の決勝戦進出を決めた。

準決勝ラウンド、組み合わせの妙

 準決勝ラウンドでは、予選グループ1位の6チームと各予選会場(成田会場及び堺会場)からそれぞれワイルドカードとして1チーム、計8チームがトーナメント方式で戦った。組み合わせは抽選で決められた。一つの山は、パペレシアル品川と埼玉T.Wings(予選グループC 1位)、buen cambio yokohama(予選グループA 1位) とfree bird mejirodai(予選グループE 1位)が準々決勝で対戦し、その勝者で準決勝を争う。LIGA.iに参加した4チームから決勝に進むのは1チームとなる山である。もう一つの山は松本山雅B.F.C.(予選グループB 1位) がたまハッサーズと、コルジャ仙台ブラインドサッカークラブ(予選グループD 1位) と A-pfeile広島BFC(堺会場ワイルドカード)の対戦となった。
 特に、buen cambio yokohamaとfree bird mejirodaiは丁度1年前の2022年1月22日に第19回大会の決勝戦を戦ったこともあり、非常に見どころの多い、準々決勝となった。

準々決勝 品川、mejirodai、たま、仙台が勝ち上がり

パペレシアル品川対埼玉T.Wings
 この対戦は、開始早々より品川が押し気味に試合を進めた。第1ピリオド 11分に川村怜がセンターサークル付近、左サイドのフェンス際でボールを奪い持ち上がる。埼玉の選手を二人かわしてからカットインしてゴール右隅に右足でシュートして1点を奪った。その後も埼玉に得点を許さず1-0で品川が勝ち切った。

シュートを放つ品川の川村怜(背番号5)と埼玉GKの高畑翔(背番号1)(写真・内田和稔)

buen cambio yokohama対free bird mejirodai
 第1ピリオド、mejirodaiが相手陣内に攻め込むことが多かったが、yokohamaの堅守の前になかなか決定的なシーンを作り出すことができなかった。しかし、終了直前の15分に園部優月がGKと1対1になり、GKの股を抜くシュートで先制し第1ピリオドを終えた。第2ピリオドはmejirodaiの丹羽海斗が2点を決めて3‐0でmejirodaiが勝利した。その結果、準決勝はパペレシアル品川とfree bird mejirodaiの対戦となった。

第1ピリオド15分の得点シーン。左より、中村駿介(背番号77)齊藤悠希(背番号7)園部優月(背番号7)和地舜哉(背番号4)(写真・内田和稔)

松本山雅B.F.C. 対たまハッサーズ
 この試合は、日本代表強化指定選手である松本山雅の平林太一が19本のシュートを放つも、たまの4人全員が自陣に戻るディフェンスと、GK 菅谷竜太のファインセーブに阻まれ得点できず。逆にたまは日本代表強化指定選手の田中章仁が第1ピリオド9分にGK菅谷からのフィードを受けて振り向きざまにゴールを決める。同じく強化指定選手の黒田智成が同13分に相手GKの動きの逆をつくシュートで得点し、2‐0で松本山雅を下した。
 思うようにプレーできなかった平林は「くやしい」と素直に語り、次いで「チーム全体の底上げが必要」と語った。松本山雅監督の落合啓士は「長野県勢初のベスト8で一つレベルが上がった」と本大会の成果を語った。その一方で、「様々な音を拾って判断する能力、音の嗅覚をもっと高める必要があること」、「選手層を厚くしてチームで紅白戦ができるようにすること」を次に向けた課題として語った。

4人がかりで松本山雅B.F.C. 平林太一(背番号9)の攻撃を止める、たまハッサーズ(左から)菅谷竜太(背番号1)、田中章仁(背番号7)、布施達佳(背番号79)阿部良平(背番号8)、日向賢(背番号10)(写真・内田和稔)

コルジャ仙台ブラインドサッカークラブ対A-pfeile広島BFC
 この試合は、第1、第2ピリオドが終わった時点で両チームとも得点を決められず、PK戦へともつれ込んだ。後攻の仙台は、二人目の佐藤翔が、GKの手をはじくシュートで成功。一方、広島のキッカーは三人ともにゴール枠をとらえることができず敗退した。これにより、準決勝はたまハッサーズとコルジャ仙台ブラインドサッカークラブの対戦となった。

仙台の佐藤翔(背番号7)のPK。GKは広島 村尾竜次(背番号12)(写真・内田和稔)

準決勝 

パペレシアル品川対free bird mejirodai
 第1ピリオドは品川がやや押し気味に試合を進める。11分に品川が得た右サイドでのフリーキックから川村が中央に持ち込みシュート。GKの逆を突きゴール左側にきれいに決まり品川が先制した。一方のmejirodaiは、第2ピリオド7分、左コーナーからのコーナーキックを、園部が相手の一瞬の隙をついたドリブルで持ち込む。その勢いのままゴールファーサイドにシュートして同点に持ち込む。その後はmejirodaiが攻め込むも品川のゴールを割れずPK戦となった。先攻の品川は、最初のキッカー川村が、ゴール中央のバーに当たって入るキックを決めた。mejirodaiは3人目の丹羽が決めて1対1となりサドンデスへ。6人目の品川のキッカー寺西一が決めてリードを奪う。mejirodaiの6人目、若杉遥のシュートをGK 藤原幸起がしっかり抑えて、パペレシアル品川が初の決勝進出を決めた。
 試合後、キャプテンの川村は「Avanzareつくばのころからライバル関係のたまハッサーズとやれることになってうれしい。チャレンジャーとして向かっていきたい」と決勝戦への意気込みを語った。

PKを決める寺西一(背番号9)とmejirodai GK 泉健也(背番号20)(写真・内田和稔)

たまハッサーズ対コルジャ仙台ブラインドサッカークラブ
 しっかり3人で守る仙台のゴール前を、たまはなかなか崩せず試合は進む。第1ピリオド13分、たまの黒田は左サイドから仙台の3人の守備を抜け出しシュート。GKが体の正面ではじいたボールを再び黒田が回収して、今度は右サイドからゴール左隅に左足でシュートして先制。第2ピリオドには、左から田中が持ち込み、二人を抜いて、ファーサイドへシュートして追加点を決めた。そのまま仙台を抑えきり、たまハッサーズが第17回大会以来の決勝進出を決めた。

先制点となるシュートをうつ黒田智成(背番号7)(写真・内田和稔)

 なお、準々決勝の敗者による試合は、buen cambio yokohamaが中村駿介のゴールを守り切って1-0で埼玉T.Wingsに勝ち、A-pfeile広島BFCの後藤将起がハットトリックを決めて3-0で松本山雅B.F.C.を下した。

シュートを決めて雄叫びをあげる後藤将起(背番号22)(写真・内田和稔)

決勝戦はパペレシアル品川対たまハッサーズ

 この結果、2023年2月11日(土)町田市立総合体育館(東京都町田市)にて開催されるFINALラウンドにおいてパペレシアル品川は初の優勝を、たまハッサーズは第17回大会以来の優勝を目指すことになった。また、三位決定戦として、 free bird mejirodaiとコルジャ仙台ブラインドサッカークラブの試合も行われる。
 今回の大会では、FINALラウンドのみチケットが用意される。4席のみの透明フェンスシートは1月23日現在で既に売り切れだが、他の特典付きシートはまだ入手可能な状態だ。
 今回、初めて準決勝ラウンドを迎えるにあたり、共催の浜松市は運営協議会を立ち上げ、地元の関係団体の協力を得て大会を運営した。その甲斐もあって集客目標の1.5倍を超える観客が会場を訪れ、選手のゴールシーンに大きな歓声とどよめきが上がっていた。ボールの発する音をかき消してしまうため、プレー中に選手を応援することはできない。ゴールが決まったり、惜しくも外れたときの観客の反応に、他のスポーツにはないブラインドサッカーを観戦する際の独特の醍醐味がある。是非、会場まで足を運んでこの雰囲気を体験してほしい。

チケットガイド

(写真協力・内田和稔 編集校正・中村和彦、そうとめよしえ、佐々木延江)

この記事にコメントする

記事の訂正はこちら(メールソフトが開きます)