愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会は10月20日、パワーリフティングの女子50kg級が行われ、山本恵理(日本財団パラスポーツサポートセンター)が登場。
自国開催の応援の中、自己ベストとなる63kgを更新し、観客を沸かせた。

二分脊椎症による先天性の下肢障害を持つ43歳の山本は、9歳でパラ水泳に出会い、29歳からカナダでパラアイスホッケーをプレーした。
また、北京パラリンピックでは水泳日本代表のメンタルトレーナー、ロンドンパラリンピックでは水泳日本代表の事前合宿で通訳、大会期間中はジャパンハウスのスタッフを務め、
2015年からは日本財団パラスポーツサポートセンターの職員としてパラスポーツの普及や東京2020に関わる仕事に取り組むなど、選手・スタッフ両面で長くパラスポーツ界に携わってきた。
山本がパラパワーリフティングに出会い、選手とパラサポ職員の「二刀流」として歩み始めて10年。
パラリンピック・アジアパラ競技大会通して「初の総合国際大会出場」が今回叶った。

パラパワーリフティングは下肢障害を持つ選手によるベンチプレスで、ベンチに足を伸ばして仰向けになった状態でバーベルを胸の上に挙上する。
障害の種類によるクラス分けはなく、体重による階級のみ。3回の試技を行い成功した重量を競う。
山本は、国内のライバルの存在などを踏まえ、今年に入り階級を女子55kg級から女子50kg級に変更。
今日の試技では1回目に58kg、2回目に自己ベストの63kgを更新し、3回目は67kgに挑戦し日本記録の更新を狙ったが(現日本記録は66kg)、惜しくも挙上しきれずだった。
試合後に山本は、「確実な重さで成功させるのか、記録を狙いに行くのかコーチと話したが、挑戦したいと思った。自己ベストの更新と日本記録への挑戦という意味で、自分のやりたかったことはできた。最後(3回目)はみんながハラハラドキドキ、私もハラハラドキドキ、同じ気持ちを共有できたらいいなと思った」と満足そうに話した。

自国開催ということもあり、観客席には多くの応援で埋まった。
以前学校訪問で訪れた、岐阜県の小学校から駆けつけた子どもたちも、プラカードを持って山本に声援を送った。

「(観客の)全員が見えていて、戦っていて面白かった。本当に一人一人の顔が見えて、一人一人の声が聞こえて、今までになかったなと思ったし、すごく落ち着けた」と応援に背中を押された山本。
3回目の試技の後、胸に手を当てて観客席に深くお辞儀した光景が印象的だった。

初の総合国際大会を果たしたことについては、
「開会式で歩いたときに、“選手ってこんな気持ちなんだ”って感じた。 スタッフの時は“周りを支えなきゃ、何々をしなきゃ、次はこうしなきゃ”って思ってたんですけど、自分自身が楽しんでいいんだ、ピュアに楽しんでいいんだと思えたのは初めてだった。東京パラリンピックは期待されていた中で出場できなくて心が折れた時期もあったけど、やはりもう一度パラリンピックを目指したいと強く思った」と語った。
女子50kg級公式リザルト
https://results.apg2026.org/#/discipline/PWL/results/W.50KG—-00000—–.FNL-.000100–






