アルペンスキー・ジャパンパラ70年来の雪不足でシーズン終わる

4月5日の日経新聞の神奈川・首都圏経済面に、「スポーツ振興 自治体走る」という見出しで、東京五輪・パラリンピックやラグビーのワールドカップを盛り上げようと、首都圏の自治体がスポーツ振興を強化していることが紹介された。

そこで思い出すのが、3月20・21日に長野県白馬村八方で行われたアルペンのジャパンパラ大会。今年は70年ぶりの雪不足で、通常行われるゲレンデよりも上に位置する兎平で霧の中、やっとのことで、スラローム競技のみが開催された。

視界が悪く、途中で中断することもしばしば。1日目に比べて2日目はさらに気温も下がり、雪面は固く技術が要求されたが、選手達にとて慣れた日本の雪質。今シーズンの最後のレースを日本で戦えたことは、選手たちの心理面において終始リラックスしたムードがあった。

初日の結果は、立位の小池岳太が1本目、2本目とも1位で優勝。通常は三澤拓が1本目で1位、2本目で、小池が抜かすパターンなので、ほぼ初めてのことだったらしい。座位の2日目は、狩野亮のコースアウトで夏目堅司が3位に入った。

立位の小池岳太が1本目、2本目とも1位で優勝

立位の小池岳太が1本目、2本目とも1位で優勝

選手たちが見据えるのは2年後の平昌冬季パラリンピック(韓国)。今大会の直前には、平昌でレースがあり、雪質などの感触を掴みイメージができ、各々の課題も見えてきたようだ。

三澤拓は30代になり、「コツコツ一個一個やること大事に頑張っていきたい。」
鈴木猛史(座位)は、「今年は所属も大学からKYBに変わり、夜も練習できるようになって、今まで以上に体を鍛える。今まで、体も用具も言わないできたが、わがままでいく。」と語る。

今大会で目立ったのが、シーズンのワールドカップで活躍した村岡桃佳(座位)の応援団。
ゴールに広げられた名前の入った大きな横断幕に、村岡もゴールした時にびっくりしたという。
横断幕には「めざせ世界一!村岡桃佳選手〜がんばれ深谷のアスリート〜」と書かれ、地元・埼玉県深谷市特産のネギをデザインに取り入れた同市のゆるキャラ「ふっかちゃん」の絵も大きく描かれている。応援団長はなんと、埼玉県深谷市の小島進市長。同行した職員は皆、身長も高くがたいもいい。聞くと、バスケットやバレーボールなど出身のスポーツマン。着ぐるみで応援したかったのだが、皆、体が大きすぎて、ふっかちゃんに入れなかったという、笑い話も。

横断幕には「めざせ世界一!村岡桃佳選手〜がんばれ深谷のアスリート〜」と書かれ

横断幕には「めざせ世界一!村岡桃佳選手〜がんばれ深谷のアスリート〜」と書かれ

「高速系が大好き」という村岡は、シーズン中に有酸素トレーニングをし、体力面も新たについた。周りに「体が一回り大きくなった!」と言われるほど。「オフシーズンも体作りしたい。」と語る。

2日目の一本目に村岡選手が失敗しリタイアしたため、座位女子の表彰台に一人上ったのが、原田紀香。入社以来のスキー仲間でもある同期達の応援も光っていた。

そして、関西から唯一の参加者だった神山則子。応援団は名古屋に住む両腕のないコーチと、鳥取と京都から来た片足の紳士2人。
神山は今大会のドーピング検査対象選手となった。レース直後に役員から声をかけられ、表彰式後にふもとの会場へ行くまでトイレに行くことができない。

日本障害者スキー連盟・猪谷千春会長は、開会式でドーピング問題に言及し、慎重になるよう訴えた。そして、冬季パラリンピックが抱える課題の一つは、世界的な雪不足だと言う。2月にユースオリンピックを開催したノルウェーも同じだ。平昌も昨年と今年では雪質が全く違う。
地球の温暖化とスポーツが切り離せない問題になってきたのを感じた大会だった。