関連カテゴリ: AsianParaGames, JAKARTA 2018, インタビュー, コラム, 取材者の視点, 周辺事情, 夏季競技 — 公開: 2018年10月7日 at 2:59 AM — 更新: 2018年10月11日 at 10:34 AM

アジアパラ競技大会から東京2020へ

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アジアパラ競技大会で日本人トレーナーを発見!

日本人のスポーツトレーナーが、ラオスの代表チームに帯同していた。
桑原佑輔さん、23歳。

2018アジアパラ大会でラオスチームに帯同する桑原佑輔さん
2018アジアパラ大会でラオスチームに帯同する桑原佑輔さん

桑原さんは法政大学に入学後、学生トレーナー・若手トレーナーのチームであるGolden Age Projectに所属、東京代表を務めた。

詳細は、こちら。
http://www.gap-sports.net/staff/obog/kuwahara_yuusuke/

彼とラオスとの出会いは、Golden Age Projectのメンバーと一緒に
東南アジアへ運動指導に行った時だった。

初めて海外でスポーツをしている選手を見て、驚いた。
日本ではウオーミングアップやダウンは当たり前だが、ラオスでは違った。アップもしないで競技に入り、終わればすぐ帰るのだ。

この瞬間を目にした彼は、
『このチームのトレーナーになりたい』
と思ったという。

そして大学卒業後、ADDP(日本のNGO「アジアの障害者活動を支援する会」)ラオス事務局の職員として活動し、現地の障がい者スポーツの代表トレーナーとして様々な大会に帯同。
2018アジアパラ競技大会、パワーリフティング男子49kg級金メダリスト、ラオパックディ・ピアのサポートもしている。

ピア選手の入場をサポートする桑原さん
ピア選手の入場をサポートする桑原さん

そんな桑原さんに、インタビューを行った。

1 初めてのアジアパラ大会の感想は?

僕自身このような国際大会は、初めて経験した。そのため分からないことだらけで失敗してしまっている。だが、このような大舞台で様々な経験をすることができ充実している。この経験を今後に生かしていきたい。

2 なぜ日本ではなく、ラオスを選んだのか?

僕がラオスを選んだ理由は2つある。

1つは、ラオスにスポーツトレーナーの文化を作るため。
大学時代に学んだスポーツトレーナーの知識を生かし、言葉が通じないラオスで試行錯誤しながら文化を作るために日々活動している。

2つ目は、2020東京に代表チームの一員として帯同したいから。
日本という狭い世界では、自分が帯同できる枠はない。しかし、ラオスとの出会いのおかげで、今こうしてアジアパラ競技大会に参加できている。

3 言葉の通じない国での活動で、苦労していることは?

僕が伝えたいことを伝えられない時。そのため少しでも伝わるようにボディーランゲージを使っている。また、ラオス語を取得するために、ラオス語が話せる人に家庭教師として週1回教えてもらっている。

4 今後の目標は?

トレーナー文化をラオスに根付かせ、怪我をする選手を少しでも減らすために活動する。また、今回のアジアパラ競技大会のように様々な国際大会に帯同し、選手と一緒に2020東京へ出場したい。

5 2020東京開催となるオリンピック・パラリンピックへの帯同を目指すスポーツトレーナーの後輩へ一言

可能性としては、日本ではなく海外へ目を向けるのも一つの方法だ。僕自身も、ラオスに行ったからこそ実現できている。そのように考えることで、選択肢や視野が広がる。

新卒の桑原さんが語ってくれたことは、彼が様々な経験をしてきたからこそ伝えられる言葉だった。彼とまた会える日が楽しみだ。

(編集・校正 望月芳子)

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