シャーマン・グイティ（コスタリカ, 24歳）
義足アスリートが好きな人でも、彼の選手の名前を聞くのは初めてな方もいるかもしれません。彼はこれまで世界レベルの大会にはあまり出てきていないですが、突如2018年に世界ランキングに11.06という素晴らしい記録で現れた選手で、しかもコスタリカ出身ということでとてもびっくりしました。個人的に遠藤が今年一押ししたい選手の1人です。
彼はもともと陸上選手でしたが、バイクを運転している際にトラックとの交通事故で左足を切断しました。その後すぐにパラ陸上での競技を始め、グランプリですぐに頭角を表し、3つの金メダルと1つの銀メダルを獲得するほどの選手に成長しました。しかし、2019年7月の検体にクロステボールがドーピング検査で見つかりましたが、IPCはこの違反は意図的ではない医療的な行為の結果であると判断した上で、2年間の出場停止が決まりました。その停止期間が2021年7月までということで、パラリンピック1年の延期は彼にとってはプラスに働いたということになります。
https://www.paralympic.org/news/para-athlete-sherman-guity-suspended-anti-doping-rule-violation
彼のインスタグラムにはすでに選手村に入ったことがわかるポストもあり、無事にレースで走れるようです。
https://www.instagram.com/shermanguity/
世界パラ陸上選手権やパラリンピックでの活躍がまだないので、彼の走りをじっくり見れるようなレースがネットにあまりないのですが、youtubeで彼の名前を検索するといくつかは見つけることができます。2019年の時の走りを見つけたのですが、上半身を左右に大きくあおりながら床反力を得て走っている様子が見えます。大きな体を最大限に利用して、地面を強く蹴り大きなストライドで走るのが特徴です。使用しているブレードはOssur社のXtremeで、コスタリカでは初めてのブレードランナーだそうです。この当時のタイムでも十分速いのですが、走り方はまだまだ荒削りでブレードを初めて数年で、力任せにあおって走っているようにも見えます。言い換えると、まだまだ速くなる余白がたくさんあるということです。さらに彼はもともと陸上選手ということもあり、陸上の走り方をわかっていることを考えると、2021年の今はさらなる進化が見られるのではと期待しています。
2021年の新星となりえるか、今から非常に楽しみです。
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