
東京2025デフリンピック水泳2日目(11月21日)、茨隆太郎(SMBC日興証券)が男子200m自由形を自己ベスト・日本記録(1:54.72)で泳ぎ金メダルを獲得した。
前日の400m自由形で銀メダルの悔しさを胸に臨んだレースで、得意の後半勝負を貫き、金メダルを手にした。一日遅れの息子への誕生日プレゼントでもある。
茨は、3年前のブラジル大会後、競技を続けるか迷っていた。しかし東京開催が決まった瞬間、心は固まった。

ーーオリンピックのプールが会場ですが、ここで競技することについてはどう思いますか?
「オリンピック・パラリンピックと同じ会場でデフリンピックが開催されたことは、デフリンピックもオリンピック・パラリンピックと同じように認知された証だと思う。水深2メートルのオリンピック基準のプールで開催される価値は大きい。(自分は)台北、ブルガリア、トルコ、ブラジルと出場した過去大会とは異なる。“オリンピックと同じ場所で泳ぐ”という象徴性が、競技価値を確かに押し上げたと思う」と、茨は語った。
この象徴性は、競技の成熟とスポーツ文化の広がりを示すだろう。
茨はデフリンピック通算21個目のメダルを獲得し、日本勢最多とされてきた卓球男子・幾島政幸の記録に並んだ。
女子では、久保南がメインの50m平泳ぎで銀メダルを獲得した。
自己ベスト・日本記録(33.83)の好泳であり、緊張の中で手繰り寄せた、3回目のデフリンピック出場にして初めてのメダルとなった。

「すごく緊張しましたが2位で、自己ベスト、日本記録だったのはとてもよかった。水泳生活を続けてきたこと、応援の結果で入賞できたと思う。母国開催にはワクワクもあるし、怖さもある。」と久保は話していた。
明日、3日目(11月22日)は、茨がメインとする男子200m個人メドレーと、久保は女子100m平泳ぎに出場する。またつぎの金メダルへの挑戦も楽しみだ。
(撮影・越智貴雄)






