東京デフリンピックのテニス競技(有明コロシアム)が11月24日に7日目を迎え、女子ダブルスでは日本人同士の決勝が行われた。
菰方里菜(島津製作所)・鈴木梨子(NTT都市開発)ペアが宮川百合亜(日本大学)・杉本千明(京都外大西高)ペアを2ー0のストレートで下し、金メダルを獲得した。

菰方は23歳、鈴木は22歳。高校時代からペアを組み、他の世界大会でのメダル経験はあるが、2人ともデフリンピックは初出場だ。
「立ち上がりを大事にしていた」という菰方・鈴木は1セットの1ゲーム目を先取すると、「鈴木がサーブで崩し、返ってきたボールを菰方がネット際でボレーで叩きつける」というプレーを連発。2セット目の立ち上がりは宮川・杉本の流れに押されたが、6-1、6-2と追い上げを許さなかった。
試合後、表彰式が始まるまでの間、菰方と杉本はサインボールをスタンドに打ちいれるファンサービスを行った。
また、ファンはスタンドの最前列に押し寄せ、写真撮影やサインを頼む声がやまなかった。
サイン待ちのファンの中には小さい子どもたちも多く、「楽しかった」と目をキラキラと輝かせていた。

決勝について鈴木は
「試合前はすごく緊張していて10分で5回もトイレに行ったほどだった。他の世界大会に比べて、デフリンピックはレベルも盛り上がりも違った。今まで感じたことのないメダルの重みを感じた」と話し、
菰方は「前日までの疲れがあったが鈴木選手と声を掛け合ってしっかりを試合を進められた。デフリンピックにかける思いがすごく強かったので、応援を力に変えたいと思っていたので恩返しができて良かった」と振り返った。

また、スタンドに来ていた子どもたちについては
鈴木は「テニスに限らず、聴覚に障害のある子どもがスポーツをすると大きな経験が得られる。デフスポーツの存在を知ってもらえたら」。菰方は「私自身小さいときからテニスをやっていて、性格が明るくなったり人との関わりが増えたりしたので、子どもたちがスポーツで勇気や元気をもらえるきっかけになってくれたら」と話した。
シングルスでも金メダルを狙っていた菰方は準決勝で既に敗れており、今日25日、3位決定戦に臨む。
(校正・佐々木延江)






