公開: 2025年12月25日 at 12時13分 — 更新: 2025年12月30日 at 15時43分

オリンピックミュージアムから冬へのカウントダウン。大日方邦子団長コーナーも初開催!

知り・知らせるポイントを100文字で

日本オリンピックミュージアム(JOM)は、日本オリンピック委員会(JOC)が運営する、日本におけるオリンピック・ムーブメントの中核拠点である。「みんなのオリンピックミュージアム」を理念に掲げ、「オリ・パラ一元化」の流れを推進する同館は、展示と発信を通じてその歩みを社会に可視化する役割を担ってきた。

2026年ミラノ・コルティナへ──。日本オリンピックミュージアム(東京都新宿区)は12月23日、企画展「TEAM JAPAN WINTER FEST in JOM」を開幕させた。11月には東京2025デフリンピック企画展でパブリックビューイングを実施し、有観客の熱狂を生み出したJOMは、その熱量を引き継ぐ形で、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピックへのカウントダウンを社会と共有する装置へと姿を変えた。ファンと選手が「ともに参戦する」冬の祭典が、ここから動き出す。

パラアルペン、チェアスキーについて自ら語る大日方邦子団長と、10月に就任した三阪洋行JPC委員長(車いすラグビー元日本代表)。 筆者撮影

JOC×JPCの連携と発信

開幕に先立ってメディア内覧会が行われ、橋本聖子JOC会長、三阪洋行JPC委員長、伊東秀仁オリンピック日本代表団長、大日方邦子パラリンピック日本代表団長が顔を揃えた。会場には10月に就任したばかりの河合純一スポーツ庁長官(パラリンピック水泳金メダリスト)も駆けつけた。

三阪委員長は「オリ・パラの歩みを並べて展示することに大きな意義がある」と言及。JOMという公共空間が共生社会への接点になることに期待を寄せた。

企画展「TEAM JAPAN WINTER FEST in JOM」メディア内覧会に登壇した橋本聖子JOC会長(中央左)、三阪洋行JPC委員長(右)、伊東秀仁オリンピック日本代表団長(中央右)、大日方邦子パラリンピック日本代表選手団長  筆者撮影
今年10月にスポーツ庁長官に就任したパラリンピック水泳金メダリスト河合純一氏もメディア内覧会に駆けつけた 筆者撮影

大日方邦子特設コーナー

本展では冬季オリンピック・パラリンピック日本代表に関わる展示や体験が楽しめるが、その象徴といえるのが、大日方団長のアスリートとしての歩みを紹介する特設コーナーの初開設だ。

冬季パラリンピック5大会連続出場、金メダル2個を含む計10個のメダルを獲得した大日方邦子パラリンピック選手団長の歩みを辿る特設コーナーが設置された。 筆者撮影

大日方団長は、2018年平昌パラリンピックで日本初の女性団長に就任。ミラノ・コルティナ大会で2度目の団長を務める。選手としては、リレハンメル(1994年)からバンクーバー(2010年)まで5大会連続出場し、金メダル2個を含む計10個のメダルを獲得した。コーナーにはメダルのほか、当時のアクレディテーションカードなども展示されている。

「長野での応援の声が蘇る」と、大日方団長は感慨を口にした。パラウィンターの歴史を語る彼女の物語は、オリパラ一元化の進展の歴史そのものでもある。

五感で体感する、冬季競技の「過酷さと知略」

会場には、冬季競技の本質を伝える道具や体験コーナーが随所に用意されている。VRによるジャンプ体験や実物ボブスレーへの試乗は、ゲーム感覚の楽しさと同時に、実物に触れることで競技の醍醐味を感じさせてくれる。

実際に競技で活躍したボブスレーに乗り込む伊東秀仁オリンピック日本代表団長(左)と大日方団長 筆者撮影

三阪委員長が語るように、冬季競技の本質は「高い技術」に加え、過酷な環境下で特殊な用具を使いこなすための「調整の過程」にこそ、その醍醐味がある。このアスリートとしての共通価値を可視化した展示構成は、オリンピックとパラリンピックの垣根を越え、競技力の向上という共通の目標に向かう「オリ・パラ一元化」に近づくための、重要な試みといえるだろう。

パラ日本代表は、全6競技に出場

11月の最終予選(ノルウェー・イェスハイム)でパラアイスホッケーが見事に出場権を奪還したことで、パラリンピック日本代表はミラノ・コルティナ大会で実施される全6競技すべてへの出場を確定させた。

特に車いすカーリングでは新種目「混合ダブルス」が追加され、日本は、この種目で世界の強豪に挑むことになる。最後の一ピースであったアイスホッケーが揃い、全部門で戦う準備が整った。

「オリ・パラ並べて展示をご覧いただくことに共生社会への意義を感じている」と、JOMの場作りに期待を寄せた三阪洋行JPC委員長 筆者撮影

懸念されていたチェアスキーのエース・村岡桃佳の負傷について、大日方団長は「回復は順調。本番は大丈夫」と明言した。2月のジャパンパラ・アルペンスキー競技大会での実戦復帰を目指し、最終調整が進められている。

JOMでミラノ・コルティナを応援しよう!

展示は前期(3月22日まで)と後期(3月24日~6月7日)の2部構成で、選手の出発から凱旋までを見届ける。併設の「ファイブリングスカフェ」では、北イタリアの食文化を代表するミネストローネやパネットーネが限定メニューとして提供され、多角的に大会の空気を感じることができる。

ファイブリングスカフェの限定メニューの試食をする大日方団長(左)と小谷実可子副館長 筆者撮影

自国開催に沸いた世界陸上、デフリンピックから冬季オリンピック・パラリンピックへ。JOMを起点に放たれる応援のバトンは、選手とファンが「ともに、一歩踏み出す勇気」を分かち合う力となり、ミラノ・コルティナへと確実に続いていく。

<参考>
TEAM JAPAN WINTER FEST in JOM 公式情報

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