グループA 日本 vs フランス

プレビュー

 5人制サッカー(ブラインドサッカー)注目の開幕戦。パラリンピック初出場の日本(世界ランキング12位)にとって、これからの歴史を作っていく第一歩となる。準決勝進出のためには勝ち点3が絶対に必要。だがそれはフランス(14位)とて同じ。
 5月30日に行われたワールドグランプリでは、日本が開始早々、田中章仁からのパスを受けた川村怜のゴールを決め、カウンターからの攻撃力が驚異のフレデリック・ヴィルルも抑え込み、1-0で日本が勝利をものにしている。しかしフランスのトゥサン・アクエボ監督は試合後「交代選手を使わない、パラリンピックへ向けての一つのテスト」と語っている。実際、2019年のヨーロッパ選手権で攻守の要であったババカル・ニャン選手は出場しなかった。監督は「パラリンピックでは、今日とは全く違うものを見ていただける」という。だが日本チームはしっかりとした分析、フランスに対応した練習も積み重ねてきている。
 予想されるフランスのメンバーは、最後尾にアキム・アレズキ、その前にババカル・ニャン、前線にフレデリック・ヴィルル、もう一人はアハメド・ティディアン・ジャキテあたりが入ってくるだろうか。日本は、川村玲、黒田智成、佐々木ロベルト泉、田中章人、そしてGK佐藤大介の、不動のメンバーがピッチに立つ。
 
 この試合は、障がい者サッカーの日本代表選手たちが、初めてサムライブルーと同じ青いユニフォームを身に纏い、戦う試合ともなる。

試合結果

チーム前半後半ゴール
日本314
フランス000
4 - 0
フルタイム

 日本はまず守備から入り、まずは相手の様子を見る。キャプテンでエースのフレデリック・ヴィルルはどういうポジション取りをするのか。相手にボールを持たれるというより、持たせた形となる。
 そして3分を過ぎたところで、歓喜の瞬間が訪れた。黒田が相手からボールを奪いショートカウンター、ゴールキーパーと1対1となり、左足でゴールネットを揺らした。だが黒田はそれだけでは終わらない。5分後、左コーナーキックから相手に渡ったボールを黒田が奪い、今度は右足でゴール左隅に蹴りこみ2-0とリードを広げる。
 フランスは何とか追いつこうとババカル・ニャンやヴィルルが日本陣内に攻め込むが、フィールドプレーヤーの4人がダイヤモンド型の守備陣形を自在に伸縮させて自由を許さない。
 そして前半終了間際、フリーキックから川村玲が小さなテークバックから素早く右足を振りぬきゴールキーパーの股を抜き3-0で前半を折り返す。後半には佐々木ロベルト泉の突進から得たPKを川村が決めた4-0と初戦の勝利を飾った。

 この試合ではリードしたこともあり、全選手のなかでの最年少で高校3年生の園部優月、黒田と長年辛苦をともにしてきた佐々木康裕や寺西一も交代出場、選手たちのポジションも刻々と入れ替わったが、しっかりと声をかけあって混乱することもなく、フランスに得点を許さなかった。さらに後半終了間際には日向賢、ゴールキーパーの神山昌士もピッチに立ち、登録選手全員が出場を果たした。
 幸先よいスタートを切った日本。明日は王者ブラジルとの対戦を迎える。 記事 「ブラインド・サムライ」ブルーのユニフォームでフランスに4点差勝利!

詳細

日付 時間 ステージ 大会
2021年8月29日 9:00 AM グループA 東京2020

会場

青海アーバンスポーツパーク
青海アーバンスポーツパーク, 東京港臨港道路青海縦貫線, 一丁目, 青海, 江東区, 東京都, 135-0064, 日本